Other
□sadness→happinessへの跳動
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「確かに、自分の大切な仲間が突然いなくなるのは凄い悲しいことだよね?」
「うん。」
「でも、君はクロが死んでしまったからって、仲間が誰もいなくなったわけじゃないんだよ?」
「どういうこと?」
猫娘は、鬼太郎の言っていることが理解できなかった。すると、突然猫娘の手が握られた。
「君の見方は、クロ以外にもたくさんいるじゃないか。砂かけ婆とか、子泣き爺とか……僕と父さんも、君のこと大切な仲間だって思ってるよ?要するに、君は一人じゃないってこと。だから、君はいつもどおり笑って過ごすべきだと思う。クロもそう思っているはずだよ?辛いことがあれば、一人で抱え込まないで、僕たちにいくらでも頼っていいんだし。だから、クロの死も、受け入れてあげるべきだよ。」
猫娘は心が落ち着いたのか、涙も止まり、クロの遺体を土に埋め始めた。なぜ彼はそんなに優しいのだろう。
「そうよね。あまりくよくよしてちゃ、駄目よね。」
猫娘がそう言うと、2人はクロの埋められた土に向かって、手を合わせた。
(クロ……私、頑張るから…安心して成仏してね。)
「猫娘、今日は僕の家に泊まっていいよ。」
「え!?いいの?」
突然の提案に、驚きを隠せない。
「うん。その方が父さんも喜ぶし。それに……君の落ち込んだ顔、もう見たくないからね。」
鬼太郎からのお誘いなんて、なかなかないことだから、断るわけがない。
「やったあ!ありがとう!」
ようやく猫娘に笑顔が戻り、2人は湖を出て、ゲゲゲハウスへ向かった。
(クロ、また来るからね…)