Other

□sadness→happinessへの跳動
2ページ/2ページ

「確かに、自分の大切な仲間が突然いなくなるのは凄い悲しいことだよね?」

「うん。」

「でも、君はクロが死んでしまったからって、仲間が誰もいなくなったわけじゃないんだよ?」

「どういうこと?」

猫娘は、鬼太郎の言っていることが理解できなかった。すると、突然猫娘の手が握られた。

「君の見方は、クロ以外にもたくさんいるじゃないか。砂かけ婆とか、子泣き爺とか……僕と父さんも、君のこと大切な仲間だって思ってるよ?要するに、君は一人じゃないってこと。だから、君はいつもどおり笑って過ごすべきだと思う。クロもそう思っているはずだよ?辛いことがあれば、一人で抱え込まないで、僕たちにいくらでも頼っていいんだし。だから、クロの死も、受け入れてあげるべきだよ。」

猫娘は心が落ち着いたのか、涙も止まり、クロの遺体を土に埋め始めた。なぜ彼はそんなに優しいのだろう。

「そうよね。あまりくよくよしてちゃ、駄目よね。」

猫娘がそう言うと、2人はクロの埋められた土に向かって、手を合わせた。

(クロ……私、頑張るから…安心して成仏してね。)

「猫娘、今日は僕の家に泊まっていいよ。」

「え!?いいの?」

突然の提案に、驚きを隠せない。

「うん。その方が父さんも喜ぶし。それに……君の落ち込んだ顔、もう見たくないからね。」

鬼太郎からのお誘いなんて、なかなかないことだから、断るわけがない。

「やったあ!ありがとう!」

ようやく猫娘に笑顔が戻り、2人は湖を出て、ゲゲゲハウスへ向かった。

(クロ、また来るからね…)
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ