Ohno & Maruco

□遅過ぎたValentine
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バレンタインデーのチョコ、普通なら2月14日にあげるべきなのだが、今年はその日はなぜか土曜日だったので、当日中に渡すことはできなかった。

「あーもう!なんでバレンタインデーの日に学校が休みなわけ!?」

「そうだよね〜。一部の女子にとっては決戦の日でもある日が休みだなんてね。」

クラスの女子もかなりショックを受けている。もちろん2人も同様。一部だが男子もショックを受けている。女子は、おそらく大抵の人が大野か杉山にあげるだろうと簡単に予想できる。2人はモテて当然と言えるほどイケてるメンズ、略してイケメンという部類に値する人間であるから。でも、2人には彼女がいる。それがまる子とたまちゃんだ。

大野は小学4年になる前に東京へ引っ越してしまったが、中学1年になる直前に戻ってきた。杉山がまる子たちと付き合いが長かったためか、まる子たちと話すのにはためらいがなかった。4人が交際を始めたのが中学2年の冬休み。それから数年経って現代に至る。

「今年は日本一悲しいバレンタインだねえ。」

「まるちゃん、それは大袈裟だよ。バレンタインデーは絶対になくならないから、ね?」

「うん……」

2人が今年のバレンタインデーのことで嘆いていると、

「穂波ー、帰るぞー?」

杉山がたまちゃんを呼び、教室を出る。まる子は独りになり、放課後にも関わらず眠ってしまった。
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