Ohno & Maruco
□Long Vacation Amusement
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もうすぐ春休み。まる子たちも楽しみな行事のうちの1つでもあった。宿題があることに対しては刺々しいが、休みがあるだけでも、十分だった。このとき6年生がよく言葉にしているのが、卒業旅行。
まる子たちはまだ3年生なので、学生だけで旅行するには若すぎる。だからまる子は学生同士で旅行できることが羨ましかった。
「あ〜あ...まる子も子供だけで旅行したいな。6年生が羨ましいよ...」
「私も…家族とでも別にいいんだけどお父さんがいっつも写真撮るから…」
とぼとぼした表情で帰り道を歩いていると、まる子の頭が誰かに叩かれた。
「あいだっ!」
「なーに暗い顔してんだよ。」
まる子が顔を上げると、目の前に最強コンビというべき存在でもある 大野と杉山が立っていた。
「春休みって6年生は卒業旅行とかできるけど、私たちはまだ3年生だからできなくて残念って話してたんだ。」
「ま、確かにつまんねーよな。大野は春休みにどっか行く予定あるのか?」
「ねえよ。たまに近所に遊びに行くくらいだな。かなりつまんないけど。」
4人が春休みのことで話していると、
「あんたら、こんなところで何やってんの?」
2人の女性に声をかけられた。どうやら女子高生のようだ。1人は、髪の毛が少々茶色く、後ろに一つしばりをしている。もう1人は、髪の毛が真っ黒で、サイドツインテールになっている。おまけに、2人とも顔立ちがものすごくいい。
「姉ちゃんと麻璃弥さん!」
「「ええ!?!?」」
まる子とたまえはかなり驚いている。杉山に姉がいることは知っていたが、こんなにも美人だとは思っていなかった。まる子はさっきから無表情になっている大野に声をかける。
「大野君はあの人たち知ってるの!?さっきから無表情だけど...」
「さっき麻璃弥って呼ばれた人物、俺の近所の姉ちゃん。ちなみに黒髪の方。」
まる子とたまえは改めて観察すると、本当に綺麗な人たちだなと思った。大野と杉山みたいだ。すると、麻璃弥と呼ばれた人物がまる子とたまえに優しく声をかける。
「あなたたちがまるちゃんとたまちゃんね?初めまして。話はけんいちから聞いているわ。」
「「は...初めまして…」」
もうまる子とたまえは心臓が固まるくらいに声が震えていた。こんな綺麗な人に声をかけられると思わなかったから。
「そんなに固くならないで?中身は普通の人間だから。ところで、みんなに話があるから、そこの神社に来て。」
まる子たちは女子高生2人に言われた通り神社に向かった。