Ohno & Maruco

□Under trees of cherry blossom…
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「あーあ、暇だなぁ……」

宿題はまだ残っているが、まる子にとって春は最も眠くなる季節なので、宿題は全くやる気がしなかった。

前にたまちゃんとか大野君とかと遊園地に行ったんだけど、あのときは物凄い楽しかったと思う。1日の大半はたまちゃんじゃなくて大野君といたけどね。

まる子があの時のことを振り返ると、突然、パーンと花火の音が聞こえた。

そういえば今日、桜祭りだっけ。

まる子は暇だから行こうと思ったが、一緒に行く人がいなかった。たまちゃんに電話しようと思ったが、確かこの日はピアノがあるとか言ってたな。他の人も用事がある人が多い。

「仕方ないね…暇だから1人で行ってみよ。綺麗な桜も見えるからねえ。」

まる子は、母親に一声かけて桜祭りに行った。ちなみにお金は遊園地に行った日の分が残っている。だから、わざわざもらわなくてもよさそうだった。

確か桜祭りの会場ってあたしたちがよく行く公園だったよね?遠くないからちょうどいいや。少し離れれば巴川もあるし。

到着すると、人はまる子が思っていたよりも多かった。知っている人も少々いたが、知らない人も多かった。

屋台は、まる子の好物である焼きそばやフランクフルト、焼き鳥など、軽食には良さそうな物が売っていた。他にも、食べ物屋だけではなくゲームができる店もある。

結構お店があっていい祭りだねえと思ってウロウロしていたら、

「さーくら!お前も来てたのか!」

突然、背中を押されながら声をかけられた。

その声の持ち主は大野君で、いつもなら杉山君といるが、何故か1人だった。

「大野君も来てたのって1人?杉山君は?」

「なんか実家に行くとか言ってた。俺は家にいてもすることねえからこの祭りに来たんだけど……誰かいるかと思ったらお前だったのか。お前も1人なら一緒に回んね?」

「いいよ〜。あたしも1人でいたってつまんないし。誰かといる方が楽しいからね。」

こんな感じで、まる子は大野君と回ることになったんだ。冬田さんに知られたら万事休すだけど。今はそんなこと忘れよう。
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