Ohno & Maruco
□Great Birthday For You
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まる子はいつもなら、学校では大親友であるたまちゃんと過ごしている。小学校1年のときから仲がよく、一緒に過ごさない日はほとんどないほどだ。男友達も、わりと少なくない。特に、最強コンビともいわれている大野と杉山は、まる子と趣味が合っているために一緒にいることが結構多い。
だが最近、みんなの様子がおかしい。最近、たまちゃんは杉山と大野と帰っている。なんで3人でいることが多いのか聞いても、答えてくれない。「ちょっと用事で・・・」と言って。
様子が変だとわかったのは、ある休み時間のことだった。
いつものようにまる子がたまちゃんと他愛のない話をしていると、たまちゃんが杉山と大野に呼び出された。3人で話し終わった後、まる子がなんの話だったのか聞けば、いつもなら必ず教えてくれたが、今回は教えてくれなかった。帰りも、まる子が一緒に帰ろうと言っても、
「ごめんねまるちゃん、今日は3人で帰る約束してるんだ。あっ、変な意味じゃなくて、ちょっと訳があって・・・本当にごめんね。」
それ以来、まる子は1人で帰る日々が続いてしまったのだ。
今日の放課後も、たまちゃんと話していると、
「穂波ー、行くぞー!」
「どこに?」
「大野の家!」
「あ、そうだった!じゃあまるちゃん、また学校でね!」
「「じゃあな!」」
杉山に呼び出され、3人で教室を出て行ってしまったのだ。
理由は何なのかも教えてくれないで。
こんなことが何日も続いているので、さすがのまる子も『自分は何かしてしまったのか』『もう嫌いになったのか』『本当は自分が嫌いだったのではないか』とネガティブになってしまった。
たしかに、3人は仲が良いが、まる子のことは嫌うわけがない。むしろまる子のことを可愛がっている。特に大野は、まる子のことを妹のように想っていた。(まる子はそれを知らない)
「何か教えてくれたっていいじゃん。まる子のことが嫌だったなら最初から言ってくれればいいのに。」
完全に悪い方向へ向かっているまる子はそうつぶやいて家までの道のりを歩いた。
実は、たまちゃんと大野と杉山は、「ある日」のための大がかりな計画を立てていた。もちろんまる子はそれを知らない。