第三章「三日目」
□第十一話【夢の中の記憶。】
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どこだろう。ここは――――――
私はいったいどこから見てる?
「だ...ぶ大きく...ね」
声がする。
あ、あの日に出てきた人の声がするね
少し、声が映像が鮮明になっていく。
「私に似てきましたね。この目元や口など―――...」
あれは私?と誰?でも、何だか私の雰囲気少し違うような...
〈...くん、私もそろそろお仕事復帰したいんだけど...ダメ?〉
「...ダメです。貴方の仕事なら、私が全てします」
〈それじゃあ、貴方が徹夜続きで倒れちゃいうよ...!!〉
「私なら平気です。貴方がそれを一番良く知っておいででは?」
〈うそつき!!...勉強のしすぎでブッ倒れたの、どこのどなたかな!!〉
「言っておきますが、あれは私は断じて認めません。知恵熱などそんなもの、信じませんからね...」
ちえ、ねつ?―――――――
なんか痴話喧嘩始まったぞ...
〈どれだけ心配したか!!家族なのに、なんでちゃんと言わなかったの!このアホ―――!!!〉
「お黙りなさい」
あっ頬引っ張られてる―――痛そう...
...この夢って、私に関係あるの...?
予知夢か何か?正夢ですかね?
あ...また時代が変わってく?
吉良の目の前で目まぐるしく風景が変わっていく
「...なんで貴方がここにいるのですか。」
〈...え?誰...〉
「...お忘れですか」
黒い着物を纏い、背中には鬼灯の背紋。額には一本角がある
さっきの人だよね?
{吉良ちゃーん!!地獄にきたって本当だったんだね!!風の噂で地獄にきたって聞いて来たんだよっ}
〈いや....だから誰?〉
白い頭巾に白衣を纏った中華風男。
{今度こそさ!!アイツから君を奪い取ってみせるから、僕のこと見てるんだよ!!}
〈....は?〉
「...言ってる意味が分かりませんが、彼女に近づくことは断じて許しません。金魚草の餌食になって頂きます。」
飛び飛び過ぎて意味わかんない。――――――
{んじゃさ!!ヒントあげるよ。パラレルワールドって知ってる?}
〈知りません。〉
{あ、そうですか...}
パラレルワールド...?これ、何か私へのヒントってことだよね
{僕はね、ずっとたくさんの君を見てきたんだ。その度にアイツが奪い取ってくんだよ}
〈はあ...〉
「ついに白豚さんがおかしく――――いえ、元々でしたね。とりあえず吉良に近づかないでください」
なんだろうか...さっきからあの鬼灯背紋の男性と医者?はどこかで知ってるな
それになんかこの光景、懐かしいというか....
心の中が疼くな
何かを探し出したくなる
ちょっと呼んでみるか――――――
思わず声を出す。
鬼灯くん。―――――...鬼灯?なんで知ってるんだ私。
角の男性が何故か私の声に反応し、こっちを見てくる。
どうやら見えてるみたいだ
あれ?彼の顔、なんか最近知った顔だな。
...あ、そっか。もしかしてあの角の人って―――――――――――
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『....丁くん?』
既に朝がやってきていた。