第七章【秋の季節は冬の始まり】

□第三十七話【風邪にはご用心←】
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『ふあー...っ今日は流石に暇ねー』

「そうですか。なら、此方を手伝って下さっても構いませんが?」


『あ、御遠慮致します』

「まったく...」







あの騒動(倒れて点滴受けただけ)から早二週間
すっかり体調も良くなり、すこぶる良好の私☆

健康ってすばらしいね!!

今は11月末の日曜日。


そして今はリビングにあるノートパソコンで遊んでいる私。








『あ、ねえねえ!!丁くん』

「はい?何でしょうか」

『今度温泉行かない?』


「おんせん?」

『うん温泉』







丁が疑問符を頭に飛ばしながら、乾かした服を畳む
もはや畳むところを目で見なくても、畳んでいる域だ

そして綺麗に清廉されている


神だねこの子。






『冬はやっぱポカポカしたいじゃん?あ、こっちおいで〜』

「はい?」

『これこれー』






そう言ってカーペットに寝転がっているそばに来るよう手招きをし、パソコンを見せる

今現在開いてるページは温泉を専門に取り扱っている紹介サイト






『今この二つで悩んでるのー。どっちがいい?』

「○別温泉に...別○?地獄温泉??」

『うん!!』



「...どちらも地獄に関しての温泉なのですね」

『うん。』






丁が地獄が好きみたい(本人は好きとは言ってない)だから、という理由で候補が二つ

...さて、どっちがいいかな?





「ふむ...温泉とは、どのようなものなのですか?」

『えぇ?うーん...心が癒される場所?』


「地獄に関連してるのにですか?」

『うん。』


「.........」







丁が暫く考え出す

いつものあの"顎に手を添える"癖が発動している
正直な話、私的にはどちらでも...((







「...どうせなら、癒しの場所と呼べるような温泉がいいです」

『ええ!!?』


「何か?大体、地獄関連で休める気がしませんよ」

『いやほらそれは...タダの見物であって、客に入れとかありえないから!!』







どうやら丁は入るものだとばかり思っていたようだ
明らかに彼の顔が驚愕してるソレの顔である
そんな入ってたら、私ら観光客もスタッフもしんでまうやん!!?






「...とりあえず、この話はまた後ほど考えませんか?」

『え?なんでー』


「...私の手元を見て頂ければ、ご納得頂けるかなと」

『ごめんなさい。』







丁はすっと立ち上がると、沢山の洗濯物を持って寝室へ行く

一瞬だが、立ち上がるとき...ふらついたような?





『あ、丁くーん。洗濯物はベッドの上に置いててくれてたらいいからねー』







返事が返ってこない
集中してるのかな?

全く。好奇心と潔癖?と完璧主義なんだからー





しばらく待つが丁は一向に帰ってこず。






『...もうお昼か。何か作ってあげよっかな』




足をパタパタとコタツの中でばたつかせている
今現在 PM:12:03




『...それにしても遅いな。洗濯物でもひっくり返したのかな』





コタツの中からスっと立ち上がると、一気に身体が冷え込む

...うー。コタツから出たくないよー寒いよー


そう思いながらも、丁が行ったであろう寝室の方を目指す吉良。







『丁くんー。どこー?』




なんて言いながら両手を抱え、ブルブルと震えながら薄暗い寝室を見回す

...見えない。

普段はコンタクトをつけているから、視力は何とかなっているが、裸眼はほぼ鳥に近い視力の夢主。

病気じゃないよ


ドア付近にあるスイッチを手探りで探し当て、パチリと付けた








『丁くん、なにし――――――――』





彼女の目に最初に飛び込んできたもの

それは吉良のベッドにうつ伏せに倒れ込んでいる丁の姿。


辺りには洗濯物が散乱しており、綺麗に畳まれた面影が一切ない





『...え?丁くん?丁くん!!!?どうしたのよ!!!』

「......」







直様駆け寄り、丁をうつ伏せの状態から仰向けにし 首を持ち上げ抱きかかえる

額に手を当てれば、かなり熱い

例えるならば焦熱地獄のh((






『き、救急車!!救急車呼ばなきゃっ!!!!』





カシャンッ


余りにも動揺しているせいか、ポッケに常に入れている携帯を取り出そうとするが上手く取り出せず床に落とす





『っ!!...なんで、私ってこんないざって時にダメなのよ―――――』

「......ぁ」






携帯を再び拾い、番号を打とうとするがそこで丁に止められる

早く言えば、番号を打つ震える手に小さな手が被さってきている







「わ、たしなら...大丈夫です。寝たら きっと、直ぐ..よくなりま、す」

『丁、くんっ!!』




丁がどうやら目を覚まし、首を微かに横に振る
...病院が嫌なの?私のせい?

あの時の私が一日だけ入院したせいなの?







「...そんな、大袈裟なものじゃ..きっとありませんから。安心して、下さ い」

『で、でも!!!?』


「おねが い しま、す...う」


『丁くん!!!』






そこで丁の意識は途切れてしまったようだ
丁の頼みを聞くべきか?

だがもし何か大変な病気だったら?
ただの風邪かもしれない

分からない

分からない




どうすれば―――――――――。
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