夢小説

□仙蔵 おもらし
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今は授業中であるが、仙蔵は落ち着かない様子で何度も外の様子を見ていた


「やけに外を見てどうした?お前らしくないぞ」


同じい組であり同室である文次朗は落ち着きのない仙蔵の様子に首を傾げる


「いや、何でもない」


いくら長年同室であって気が置けない存在でも、厠に行きたいと言うのは年齢の事もあって気が引ける


「それならいいが」


「(こんな時に限って時間が経つのが遅く感じられる)」


休み時間には行きたくなかったが、授業が始まると共に行きたくなった


「(後どれくらいで終わるんだ?)」


仙蔵の我慢はそろそろ限界に来ていた


先生に言って厠に行かせてもらうという方法もあるが、六年生にもなって『我慢できないので厠に行かせて下さい』といえるはずがない


ジュッ


「(!!)」


「おい、本当に大丈夫か?顔色が悪いぞ」


もう限界だった


「・・・ゃ」


「?」


「もう・・・我慢できない」


文次朗は困惑した


学園一、冷静沈着で優秀な生徒と評されいる彼が、頬を硬直させ涙目で訴える姿は誰が見ても驚く


「もう少し我慢してくれ」


文次朗は先生に仙蔵の体調が悪そうと報告した


先生も仙蔵の顔が赤いことから、風邪と思い部屋で休ませるようにと


「行くぞ」


「あぁ」


立ち上がると、姿勢が変わったことから先程よりも強い尿意が押し寄せた


「っ!」


仙蔵は必死に尿意に耐え、文次朗に付き添われて教室を出た


授業中で誰もいない廊下を歩く2人


ジュッ


「!!」


ついに仙蔵は立ち止った


「仙蔵?」


恐る恐る彼の名前を呼ぶが返事がない


「ここからは私一人でも行ける。お前は教室に戻れ」


「何言ってんだよ」


「いいから・・・」


俯きながら消えそうな声で言う仙蔵に文次朗は不思議に思う


「すまない」


何故か謝る仙蔵


「いきなりどうしたんだよ」


文次朗が仙蔵に近づくと


シャーーーーーー・・・・


「え?」


文次朗は固まった


仙蔵の足元を見ると、水溜りが広がっている


「笑いたければ笑え。この歳で漏らしたんだから」


今にも泣きだしそうな声


「笑うわけないだろ。それより部屋に戻って着替えて来い。俺はここを片付けておくから」


「自分で出来る」


「もうすぐ授業が終わると思う。下級生達に見られる可能性もあるがどうする?」


ただでさえ同級生に見られたのに、年下の後輩にも見られたらそれこそお終いだ


「出来るだけ早く戻る」


「戻らなくてもいいから部屋で寝てろ」


「すまない。それと、ありがとう」
 

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