単細胞=多細胞。

□独りになった
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「…君が、飛雄くんだね」





どうも。つい3時間前まで高校生だったけど小学生にランクダウンしちまった影山飛雄です。
…ダウンしてんのかは微妙なとこだけども。







そういやさ、あれだよね。影山飛雄ってハイキューの某コート上の王様だよね。
何か色々ありすぎてそんなことどうでも良くなっでたござる。



成り代わりとか転生ってホントにあるんだな。
小説の中だけと思ってた、って感じの淡白な感想しか抱けませんでした(作文風)






閑話休題。





ただいま現在俺は、飛雄くんの、と言うか現在の俺の母にあたるのか?って人が交通事故に遭った、という衝撃の言葉を放ったコーチに連れられてとある病院に来ているなう。

それから手術中のランプが赤く光る手術室の前で待ち続けている。(ちなみに隣にいたコーチは俺よりソワソワしていて貧乏ゆすりハンパなかったおちつけ)





暫くすると手術室のドアが静かに開いた。





すると中から医者が出てきて、小さく息を吐き俺とコーチを一瞥した。


真面目な雰囲気はあんまり好きじゃないんだけどなあ、隣に座ってたコーチが立ち上がったので俺も立ち上がる。





俺の嫌いな真面目な雰囲気のなか医者が真面目な顔で切り出したのが冒頭の一言である。




「影山ひかりさんは君のお母さんであっているかな?」

「はい、そうです、あってます」


畜生、なんでひらがな発音になるんだ…!
何なんだろ滑舌なのか?幼児効果なのか?そんな効果いらねえよ。


考え込んでいると、医者が目を細めて俺の頭を撫でてきた。
何故あたまを撫でる。



すると、隣で空気になっt………黙っていたコーチが神妙な顔で口を開いた。
「…影山さんは、どうなんでしょうか」



つーか何でこの人実の息子の俺より深刻そうなんでしょーか。
コーチが医者の顔を見据えているので俺も伴って顔を見ると、医者は顔を歪めて唇を噛んだ。冷や汗垂れてんぞオッサン。

と、思ってたら。















いきなり、スライディング土下座しやがった。
何なの俺の今日の土下座のエンカウント率は。








え、何やってんのこの人。と言う俺の冷めた視線には気づいていない様で医者が口を開いた。










「すまない……ッ。私には君のお母さんは救えなかったッ……!!」








隣でコーチが息を呑んだ、気がした。












話もしたことも無いが、母親である人が亡くなったと聞いて、どこか安堵している俺は冷たい人間かもしれない。








 

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