喰種の涙

□悲しみの連鎖
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気づくともう1日過ぎていた。


しかも夜の帳が降りている。




『うっわ、寝すぎた。』



むくりと起き上がり顔を洗う。



机の上を見ると、メモ書きとラップのかかった
お皿。



メモ書きを見ると、そこにはタケさんからの
メッセージ。



──凛音へ
ここ数日きているが、寝たきりだな。
起きたらちゃんと飯を食え。

タケ




タケさん、お母さん……



『ありがたく、頂きます。』


もぐもぐとご飯を食べる。


あ、美味しい。





食べ終わり、お皿を洗っていたら外から
人の声がした。




「なぁ、真戸さん知ってるか?」


「ああ、変人だろ?」



変人の一言にむかっと来た。


けど、そのいらつきも次の1言で消えた。








「あの人、喰種に殺されたってよ。」














パリィン、と軽やかな音を立てて俺の手に
在った皿が割れた。






真戸さんが














死んだ?











あの人が、死んだ?










気づいたら、部屋を飛び出していた。



後ろから人の声がする。




多分、待てとかそう言ったことを言ってるんだろうけど。



喰種に反応するゲートを飛び越え、出入口を
出る。



ただただ、真戸さんと血の匂いがする所を
探して走った。












たどり着いた所は、薄暗い橋の下だった。



ぱしゃり、ぱしゃりと音を立てながら進んでいく。




えぐられた柱とか、戦ったあとが
見られた。





『真戸、さん。』



" 凛音、起きなさい。仕事に行くから早く。"



" ああ、彼は亜門鋼太郎といってね。
私の新しいパートナーだよ。"



" そうそう、私の娘に会ってみないか?
暁というんだがね、妹を欲しがっていたんだ。"



" 私のことは父親と思ってくれて構わない。
むしろ、その方が嬉しい。"



『何、死んでるんですか……!! 』



" 凛音、私がもし殺されても泣かないでくれ。
娘の涙には弱くてね。"



『泣きません、だから、もう、ゆっくり休んでください。』



今までお疲れ様でした、真戸一等捜査官。



誰もいない場所へと、深く、深く頭を下げる。





『今度、墓参りに行かせてもらいます。』




今は、ここに居させてくださいね。





そういって、瓦礫の山に腰を下ろした。













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