家庭教師の涙(BLD)

□プロローグ
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並盛中生徒会室────



書類の上を滑るペンの音と、紙のめくれる
音だけしかしない部屋に俺、色桜空夜と
俺の友人であり、生徒会副会長の朝比奈
仁だけがいた。




「なー、例の無差別暴力事件どーなった?」


ソファで寝っ転がる仁がそう問いかけてきた。



『あー、それ解決したってよ。恭弥が
言ってた。』



恭弥こと雲雀恭弥はこの学校の風紀委員長だ。


普通彼を名前呼びなんて殺されるだろうけど
俺は逆に呼ばないと咬み殺すって脅された。
解せぬ。




「えー、終わったのかよ……」


『なんで残念そうなんだよ。平凡でいいだろ。
お前はちょっと喧嘩から離れろ。』


仁は元不良。
だからこういう事態になる度に風紀委員に
混ざってやんややんやとやっている。





俺?不参加。
無理無理、危ないし怖いし。




「俺より強いくせに何抜かしてんだバーカ。」



『強くねーよ。さて、書類整理終わったし
俺帰るぞ。お前は?』



「あー、俺はまだいい、補習あるし。気をつけて帰れよ。」



『おー。戸締まり頼むな!』


バックの中に入ってたお菓子をポイッと
仁に投げつけ、生徒会室を出る。




『あ、そういやこの前靴が壊れたっけ……
買いに行くか。』



時刻は昼を少し過ぎたあたり。
家に帰ってもすることないし、久々に
買い物にでも行こう。












この時俺は知らなかった。


これから行く先で大事件が起こることなんて。











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