家庭教師の涙(BLD)

□おサボり後輩’s
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『やっぱり土曜は混むな……』


ま、でも靴買えたしいいか!




好きなメーカーの靴を買えた俺は鼻歌まじりに
大通りを歩く。




と、足に軽い衝撃。



『ん?』


後ろを見るとなんとまぁ牛柄の服を着た
子供が。


なんてアフロだ……5歳児(?)の髪型に
しては凄いな。



……じゃなくて!
これ迷子か?迷子なのか!?




『とりあえず、ここだと危ないな。
こっち来い、人混みに飲まれるぞ。』


ひょいっと抱き上げ、人の少ないベンチへ
座らせる。





『えーと、お前名前は?』


「ランボさんはランボさんだもんね!」



ほぉ、ランボって言うんだ。
すごい名前だなぁ…


『ランボ君はお母さんと来たのか?』



「ランボさんねー、ランボさんの子分たちと
来た!」


子分……
あれか、舎弟ごっこ的な。
今の子供ってそんなことして遊ぶのか……
俺下っ端になりそうだな。


『そっか。んで、その子分たちは?
どこ行った?』


「ランボさんがあちこち見てたらみんな
まいごになったんだもんね!」



いやそれお前が迷子なんだよ、とは言いません。
思うだけ、思うだけ。




『んじゃあ、その迷子の子分たちの名前は
わかるか?
そしたら俺も探してやるから。』



「名前……ツナ!」



『ツナね。よし、じゃあ行くか。』


ひょっと肩車をしてやれば喜ぶランボ君。


「高いんだもんね!」


『だろ?あ、俺は空夜な。』


「ガハハハ!空夜、ランボさんの子分に
してやるんだもんね!」



『そりゃどーも。』



俺子分か……パシリくらいしか使えねーよ。




しばらく人混みの中を歩いていたら、
ランボ君が頭を叩いてきた。

地味に痛いぜ……


「あ!ランボ!お前どこいってたんだよ!」


「テメェ10代目の手をわずらわせやがって!」



お、どうやら保護者の人らしい。
蜂蜜色の髪をした、気の弱そうな子と銀髪の
ちょっと不良っぽい子。


多分、俺より年下かな?




『ランボ君、降ろすぞー。』


「やだ!ランボさんまだ肩車してるんだもんね!」


『保護者の子たち来たんだから、な?』


そう優しく言ったのだが、ランボ君の目もとに
だんだんと涙がたまりつつある。




やばい、これ泣くパターン?



「う……うわあああああああん!!」



『な、泣くなよ……(−−;)』



そっと保護者二人組に助けてくれと目で
訴える。


「すっ、すいませんうちのランボが!!」



『ははは……別にいいんだけどさ、助けてくれ。
泣かれるとは思わなかった。』



ランボ君は今だ俺の肩の上で泣いてる。


「まだ空夜に肩車してもらうー!!!」




コイツそんなに肩車好きなのか……



『わかったよ、してやるから泣くなって。』


「ほんとう?」


『おー。やってやるよ。』
 

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