錬金術師の涙

□禁忌の証
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ロゼの案内でコーネロ教主に会いに来たが
出てきたのは師兄だけだった。




「忙しいのに悪いね、手早く済ませるからさ。」


隣にいるエドワードが師兄にそう言う。



「えぇ、そうしましょう......このように!」





にこやかに笑っていた師兄が一変して
アルフォンスの鎧の頭部に拳銃を向け、発砲した。



『!アルフォンス!?おいあんた、何して、っ!?』




師兄を睨むと何処からか出てきた男達に
床へと押し倒された。


ちょっ、重い!



横を見るとエドワードも取り押さえられていた。






「師兄!何をなさるのですか!」



「ロゼ、この者達は異教徒だ。悪なのだよ。」



『異教徒だろうが人を殺すことは神の意志
なのかな?』



「ああ、それが神のご意思なのだから!」



チャキ、と首元にナイフが当てられる。


あ、まずい。





「ひでぇ神がいたもんだ。」




突然の出来事だった。



頭を吹っ飛ばされたはずのアルフォンスが
師兄の銃を持っている手を掴み、エドワードが
彼を押さえている男達の胸ぐらを掴み、殴り飛ばした。




「ユーリス、頭ちゃんと下げてろ。」




『あ、うん。』




頭を下げると重りが無くなった。



どうやらエドワードが蹴り倒してくれたらしい。




『ありがとう、エドワード。』



「おう。...にしても、神の正体見破ったな。」



コートを叩き、アルフォンスの頭を拾う。



『はい、大丈夫だった?』



「あ、うん。......驚かないんだね。」



『あー...ロゼみたいに驚いた方がいい?』



ちらりとロゼの方に目をやると顔を青ざめて
あたふたと慌てていた。



『何となく気づいてたし、別にそんな
驚くことでもないかなぁと。』



「...変わってるって言われたことない?」


『...あー、たまーに言われるかも。』



苦笑を漏らし、頬をかいているとエドワードに
呼ばれた。



どうやら奥へと進むみたいだ。




『奥にコーネロ教主がいるの?』



「みたいだぜ。ようやくご対面だ。」



『だね、んじゃ、行きますか。』

















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