文豪の涙(BLD)

□漆黒の走狗
1ページ/5ページ




探偵事務所に戻ると、そこにはスーツ姿の
女性が居た。


彼女が依頼者だろう。


お茶を入れに給湯室へ行き、暖かいお茶を
用意する。



「蓮兄様!言ってくれればナオミがやりますのに……」


『え、ああでもナオミが潤の手伝いした
方が進みやすいと思ってさ。俺新人だから
まだ良くわかんないし。』


申し訳なさそうに俯くナオミの頭をよしよしと
撫で、作業を続ける。


お茶を持って依頼者さんの所へ行くと
太宰さんが依頼者さんを口説いてた。



あ、国木田さんに叩かれて連行されて行った。



『すいませんうちの上司が。』


「いえ、大丈夫です。お茶、頂きますね。」




にしても、綺麗な人だなぁ〜。




あ、いけね。
さっき給湯室のポットの電源抜くの忘れてた。



話を邪魔しないようにそっと移動し、
電源を抜いてまた戻る。



「蓮、何処に行ってたんだ。」


『あ、ごめんなさい国木田さん。
電源抜くの忘れてたから抜きに。あの
依頼さんのどうなりました??』



「ああ、それか。谷崎と敦が担当になった
んだがな、お前もついて行ってくれないか。」



うお、まじか。



『俺、何もできないですけど。』



「何を言ってるんだお前は。」



ガスっ、と国木田さんチョップを頂いた。


地味に痛いです国木田さん。




『何って……日本語です。俺が出来るのは
ちょっと童話とか知ってるくらいなんで。』



「それが異能に反映してるから大丈夫だ。
それと、蓮に敦。これからこの世界で
生きていくために一つアドバイスをしてやろう。」




スッと俺達の前に一枚の写真を出した国木田さん。





そこに映っていたのは、口元を抑え黒い外套に
身を包む一人の青年。




「こいつには会うな。会ったら逃げろ。
決して戦おうなんて思うなよ。」



俺達に釘をさすように忠告する国木田さん。







「こいつの名は『芥川龍之介、ですよね。』知ってるのか!?」




『まぁ、幼馴染だし 。』





俺がそういうと事務所内が一気に静まり返った。

















あれっ、なんか事務所静かじゃない?
こんなに静かだったっけここ。














「「「「はああああああああああ!?」」」」












前言撤回、うるさかった。


















,
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ