文豪の涙(BLD)
□名探偵の推理
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「また殺人事件解決の依頼だよ!全く警察は無能だね!」
壊された探偵社内をぐるっと歩く乱歩さん。
あ、敦が片付けようとした本の上に乗った。
「あの...」
『乱歩さん、敦が困ってますよ。』
「あぁ、ご免ご免。はい、どうぞ。 」
ひょいっと本の上からどく乱歩さん。
敦は何とも言えない顔をしている。
敦が本に手を伸ばす前に国木田さんがそれを
本棚にいれた。
「いつも頼りにしています、乱歩さん。」
「全くだよねぇ、君らは探偵社だと言うのに
その実大した推理力もない!」
『まぁ、乱歩さん以上の人なんていませんしね...』
「そう!みんな僕の【超推理】のお零れに
与っているようなものなんだよ!」
そこから何が凄いって、社員の乱歩さんの褒めようがすごい。
まぁ確かに、此の人の異能力は凄い。
何たって事件の真相がわかってしまう異能なんだから。
「ほら、蓮ぼさっとしてないで行くよー!」
『あ、はい!敦も早く、置いていくぞー。』
「えっ、僕も?助手なんて2人もいるの?」
「真逆、助手なんて要らないよ。蓮は僕が連れて行きたいだけ。」
なんで連れていきたいんだよ...
確かに乱歩さんの推理見てるの好きだけどさ。
「じゃあ何故?」
敦の問に乱歩さんはニッコリ笑って
「僕ら、電車の乗り方わかんないから。」
「......えっ。」
『いつもは国木田さんが送ってくれるし、
近い所ならゲンガー...俺の異能力で何とか
なるから使わねーの。』
俺も、電車には乗ったことがない。
「…そうなんだ。」
おい敦、呆れたような顔すんなよ。
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