文豪の涙(BLD)

□名探偵の推理
1ページ/3ページ



「また殺人事件解決の依頼だよ!全く警察は無能だね!」


壊された探偵社内をぐるっと歩く乱歩さん。


あ、敦が片付けようとした本の上に乗った。


「あの...」

『乱歩さん、敦が困ってますよ。』


「あぁ、ご免ご免。はい、どうぞ。 」



ひょいっと本の上からどく乱歩さん。
敦は何とも言えない顔をしている。


敦が本に手を伸ばす前に国木田さんがそれを
本棚にいれた。


「いつも頼りにしています、乱歩さん。」



「全くだよねぇ、君らは探偵社だと言うのに
その実大した推理力もない!」


『まぁ、乱歩さん以上の人なんていませんしね...』


「そう!みんな僕の【超推理】のお零れに
与っているようなものなんだよ!」




そこから何が凄いって、社員の乱歩さんの褒めようがすごい。



まぁ確かに、此の人の異能力は凄い。


何たって事件の真相がわかってしまう異能なんだから。


「ほら、蓮ぼさっとしてないで行くよー!」



『あ、はい!敦も早く、置いていくぞー。』


「えっ、僕も?助手なんて2人もいるの?」


「真逆、助手なんて要らないよ。蓮は僕が連れて行きたいだけ。」


なんで連れていきたいんだよ...
確かに乱歩さんの推理見てるの好きだけどさ。



「じゃあ何故?」



敦の問に乱歩さんはニッコリ笑って



「僕ら、電車の乗り方わかんないから。」



「......えっ。」



『いつもは国木田さんが送ってくれるし、
近い所ならゲンガー...俺の異能力で何とか
なるから使わねーの。』



俺も、電車には乗ったことがない。




「…そうなんだ。」





おい敦、呆れたような顔すんなよ。















.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ