ヒーローの涙

□戦闘訓練の時間だ!
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無事(?)に個性ありの身体測定を終え、今日から普通の授業が始まった。


午前中は普通科と同じような必修科目。

プレゼント・マイクの英語の授業は彼のテンションが高すぎる以外は特に変わったことのない授業だった。


なぜかめっちゃさされたけど。
英語はそこそこできる教科だったからよかったけど、これで数学とか来たら死んでた。

暗記は得意なんだけどね〜…


「やっと午前中終わった!ご飯だ!」


『透ちゃん元気になったね〜。』


「今日ずっと楽しみだったんだよ!ランチラッシュのお昼!」


ここ、雄英高校には食堂があってそこでは格安で一流のご飯が食べられる。


ランチラッシュはそこを任されているプロヒーロー。
私も昔はよくお世話になったし、今もたまに簡単な料理を教えてもらっている。


「そーだ!灯羽ちゃんも一緒に食べようよ!」


『あー…ごめんね、今日はもう約束した人がいるんだ。』


また今度誘ってというと、わかった!と元気な返事が返ってきた。


私は財布をもって、一年の普通科に向かう。


「よお。」

『遅くなってごめんね人使、行こう。』


私が約束していたのは普通科の心操人使。
彼は高校からの付き合いでよく一緒にいる友人だ。


「今日は弁当作らなかったんだな。」


『今日くらいは贅沢したいな〜って。明日からはお弁当だよ。節約って大事!』


「主婦かよ。」


『あ、そういうこと言う人使には今度から夕飯御馳走しないぞ。』


「冗談だって。」



あー、なんかこのやり取り久しぶりな気がする。
中学は毎日やってたよなぁ。



のほほんとそんなことを考えていたら食堂についた。


お互いに昼食を頼み、受け取ってから二人席に座る。


『席とれてよかった〜。』


「混んでるけど席数はあるからいいな。」



人使は日替わり定食、私は生姜焼き定食だ。
なんとなくお肉が食べたかった。


「ヒーロー科はどうなんだよ。」


『ん?あー…楽しいよ。とりあえず話せる子たちができたからぼっちは回避!』


「授業は?」


『必修科目は普通科と同じなんじゃないかな。今日午後からヒーロー基礎学。』


「…そっか。」


何も思ってないように食事をしながら聞いてくる人使。
だけど、目に悔しさが表れていた。


彼はヒーロー科の一般選考を受験したヒーロー志望の生徒だ。


人使は頭がいいから筆記試験は余裕だったはずなんだけど、問題は実技。

彼の個性は戦闘系の個性じゃあない。
だから筆記の試験の点数こそよかったものの。実技で落とされてしまった。

それを見越していたらしく、その後普通科の試験を受け合格。


「おい、顔がひどいことになってるぞ。眉間にしわより過ぎ。」


『人使の発言の方がひどいと思うんだけど。』


私は特別推薦枠と呼ばれるものでここに入ったため一般試験の内容は知らない。


から、いまだその試験方法に納得がいかない。


『人使の個性はすごいしヒーロー向きなのに。』



「そんなこと言うのお前だけだからな。…まあ、俺もまだ諦めたわけじゃないし。」


『編入制度だっけ?』


ここ雄英高校には編入制度と言って成績によってはヒーロー科に入れる制度がある。


『人使が来たら嬉しいな〜!待ってるよ!』


「…おう。」



お、人使が照れた!


なんていじっていたら個性を使われて強制的に黙らせられました。




















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