文豪の涙

□日常を壊す影
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私は探偵社から出てきて、大きなデパート
へと来ていた。


壊れてしまった探偵事務所のデスクや
食器などを揃えるためだ。



(買い物したらしばらくブラブラして
ようかなぁ〜。)


買ったものは式神に運ばせて今日は家に
先に帰ってもらおう。



『よし!頑張って必要なもの探しますかね!』



まずは大きいものから片付けますか!







ー2時間後ー


『はぁ、やっと終わった……』


デスクなどの大きいものは注文して
探偵事務所に届けてもらうことにして
細々とした物はさっき式神使って持って
行ってもらった。(消してパシリじゃないよ☆)



『さて、と……』





買い物が済んだから何しようかなぁ〜。


(そういえば新しい雑貨店あったな……)


そろそろ新しい髪を束ねるリボンが欲しい
所だ。


あと、ついでに可愛いものあったらナオミちゃんに
買っていこう。



『よし、行こーっと。』



くるりと体の向きを変えた時だった。



耳をつんざくような銃声と悲鳴が響いた。


『!?』



すぐに物陰に隠れ、深呼吸を一つしてから
状況確認を始める。



(ポートマフィアはこんなに堂々とやらないはず……
だとしたら、どこかのテロリスト?)



だったら今すべきことは1つ。



『一般人の安全確認と避難かな。』


すぐに手元にあるすべての式神全てを
使い、避難せるよう命じる。



〈夕姫様……こんなに沢山召喚して大丈夫
ですの?〉


心配しているのは、赤い着物の花魁のような
女性。



『大丈夫だよ、焔華(えんか)。
私よりも一般の人たちを助けてあげて。』


〈でも、夕姫様を守る者が……〉


『色憑きの力使うから大丈夫だよ。お願い
焔華、行って?』


〈っ分かりましたわ。けして無茶はなさらずに
お呼びくださいな。〉



そう言って焔華は炎を纏(まと)って
行った。




『色憑き 、黒ノ色!』


髪の色が漆黒に変わったのを確認して物陰から
飛び出す。



(テロリストの注意をそらすにはどう
すればいい?)



落ち着け、よく考えろ。
この建物には何がある?




『っそうだ、あそこを使えば……!』



脳内にある部屋の名前が出てくる。



目的場所さえ決まれば後はそこへ向かうだけ。




私は思い切り地面を蹴り、非常階段を
かけ登った。





目指すは、放送室!









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