執事の涙
□異端児
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ふすまの向こうから、ヒソヒソと話す
声が聞こえる。
〈ねぇ、聞いた?ようやく闇月家がなくなるそうよ。〉
〈聞いたわ。ふん、神獣の恥さらしだわ。〉
〈でも、無くなるんだからいいじゃない。
あの子は?〉
〈さぁね。そこら辺に行って野垂れ死に
してしまえばいいのに。〉
(聞こえてるんだけどなぁ〜。)
さらりと黒い髪を風が揺らし、部屋を駆け抜ける。
『父さん、母さんの葬儀が終わったばかりなのにもう私を追い出す算段か。』
まぁ、別にいいんだけども。
パタリと黒いしっぽを揺らして立ち上がる。
そしてそのまま、ふすまに近づき手をかけて、
スパァーンッ!
『姉さま達、聞こえてるんですけど。
申し訳無いですが、他所でやってくれませんか
非常に迷惑ですと言うかお前たちの声が
非常に非常に耳に触るので早急に黙るか
もしくはその醜い言の葉しか紡げない口を
縫うかなんとかしてください。』
一息で言い切った!
よっしゃスッキリ!
姉さま達は私を睨みながらどこかへ行った。
『はぁ、あの人達は本当にろくな性格
してないな。』
自分もだろと思った皆さん。
私は自覚済みなんで大丈夫です(*´∀`*)
『さて、友人に手紙を出したしあとは
去るだけ。』
伏せた耳をピンっと立てて屋敷の中を
回るため足を進めた。
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