執事の涙
□悪魔で執事がやってきた
1ページ/2ページ
さてさて、ここで問題。
私はどこにいるでしょうか〜。
答え、屋敷から離れた森の中。
あれから屋敷に別れを告げ、うるさい
姉様達に嫌味たっぷり含んだお別れをして
森の中へ。
え、なんで森の中なんだって?
いやぁ、自分狼がベースの神獣ですし。
人里降りてったら狩られちゃうかなにかされて
殺されちゃうし。
結果、森の中が安全じゃない?ってなった。
『にしても、これからどうしようか。』
たまたま見かけた大きな石の上に腰掛け、
自分の真っ黒な尻尾を抱きしめる。
このままじゃあ野垂れ死にするし、かと言って
姉様達の所へ頭を下げにいくなんて死んでも嫌だ。
『後は異国に移り住むか、か......』
今の自分の姿は人間の体に狼の耳&尻尾が
付いたような容姿。
完全な獣化したら真っ黒な狼になる。
それを利用して貨物船に潜り込んで行くってのも
ありだ。
『あー、でもそれやるとあとが面倒に
なるんだよなぁ......』
抱きしめてる尻尾に顔をうずめる。
はぁ、家なし神獣も大変だ。
『あー......もう誰が雇ってくれないかな......
神獣でもそれなりに働けるから食わせて
もらえb「闇月御影様ですか?」っぎゃあああ!?』
出たー!怨霊だうあああああああ!
.........あ?
『なんで私の名前を知ってる......』
尻尾から顔を上げてそこにいたのは、
外国の使用人の姿をした男。
それはいい、がそいつから人間の匂いがしない。
『......誰だお前。』
ぎろりと睨むと男は妖しい笑みを浮かべて
お辞儀をしてこう言った。
「私、ファントムハイヴ伯爵の執事にございます。
我が主人の命により、御影様をお迎えに上がりました。」
ファントムハイヴ、伯爵.........って、
『シエルの、執事?』
.