執事の涙
□使用人、始めます
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シエルの使用人、セバスチャンに連れられ
あっという間に英国に。
……早くない?
私さっき家出てきたばっかだったよね?
ま、いっか!
セバスチャンと二人で馬車に揺られ、
流れる景色を眺める。
『英国は日本とは町並みが違うなぁ〜。
人の着てる服も、交通機関もしかり。』
「まぁ、そうでしょうね。英国の景色は
初めてですか?」
『いや、3回目?くらいかな。昔、父さんと
母さんの三人で来たことがある。』
ふと、昔シエルとファントムハイヴの屋敷で
追いかけっこをした記憶が蘇る。
『……シエル、変わっちゃったんだろうな…』
私は日本にいたから詳しくは知らないけど、
大きな事件に巻き込まれたって聞いた。
「確かに、昔よりはお変わりになられましたが、貴女に対しては変わりませんよ。
私もよく話を聞きました。」
へぇ、シエルが私のことを。
『人外だって事とか?』
「物を投げられると取りに行ってしまう
とか。」
『煩いよ狩猟本能が若干あるんだししょうがない。』
こう、体が疼くんだよ、取りに行かなきゃ!
みたいな。