血界の涙
□厄介ごとに巻き込まれて
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今日も今日とて街を行くのは人外だらけなHL。
『今日はお仕事もないし暇だな〜…』
車とかバイクとか持ってたら遠出とかできるんだけど、両方持ってなかったりする。
レンタルもできるんだけど、なんかたまにいわくつきのものがあるからあんまりね…
レンタルは何回か利用したことあるけど、全部いわくつきのでもう借りないって誓った。
まあ、逆に私がいわくつきじゃないのにあたる可能性の方が低いんだけどさ、体質的に。
もうこのことを考えるのはやめよう、悲しくなる。
なにか暇つぶしができそうなことがないかきょろきょろしていたら、大きなトラックが目に入った。
どうやら洋服の入荷らしい。
と、一瞬左目にずきりと痛みが走り、思わず目を閉じる。
『痛っ…』
左目が痛むときはたいていろくなことが起きない時だ。
そおっと目を開けてもう一度左目だけでトラックを見る。
『見るんじゃなかった…』
さっき見えてた洋服の入荷をしていたトラックが左目で見るとなんとまあ不思議。
トラックは気味の悪い生物のような形をしていてその中へと真空パック状態の人間が運び込まれている。
人間の違法売買準備見てしまったどうしよう。
てか確か人間の売買って法律で禁止されてたような、
あ、やばい主犯格であろう奴と目が合った。
目が合った瞬間、私は踵を返し全力ダッシュをした。
ああいったやつとは絶対に目を合わせちゃいけないし、関わってもいけないことはここに来てから体験して学んだ。
『やばいやばい今日ついてないっ…!!』
人ごみをかき分けながら走っていると、急に足が地面から離れた。