文豪の涙

□虎の子を拾ったようで
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ハッと気づくと、いつの間にか朝。


しかも、場所が玄関っていう。



『やばい……今何時だ?』


携帯の時計を見てみれば、現在は11時
ジャスト。


……やばい、遅刻もいいとこだ。



『……oh......』


外国の言葉を喋ってしまうほど、やばい。



急いでお風呂とか着替えとかを済ませて
アパートを出ようとした時、


ヴー、ヴー、ヴー、



鞄の中に入れられた携帯が動き出しやがった。



(誰だよこんな時に……)



ブツブツと心の中で文句を、言いながら
出ると……


《もしもし、私だけど。》



真逆の治さんだった。
よし、とりあえず謝ろう。



『ごめんなさい。』


《謝らなくてもいいけど……早く来ないと
私、困るんだけど。》


『困る?』


《そう。君に紹介しなきゃいけない子が
いるんだよ。》


『えー、どんなこ?』


《虎の子。》



……なんだって?トラノコ?



《獣化の異能を持った子だよ。探偵事務所に
入ったから、紹介しなきゃいけないでしょう。》



あー、なるほどね。


『今から出るから、ちょっと待っててね〜。』


《途中まで迎えに行くよ。》


『はーい。』



通話を切り、私は探偵事務所へと
向って走り始めた。





蘭桜夕姫、能力名【妖憑き】【色憑き】






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