短い涙

□文スト表紙カバー裏
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敦君が入社して、数日がたった。


私は何故か治さんと探偵事務所に出勤し、
今私のデスクにいる。



「そう云えば、太宰さんってなんで包帯
ぐるぐるなんですか?」



敦君が疑問に思ったのだろう、そう質問すると


「太宰は激怒した。」


『何にですか。っていうか、怒る要素
無かったよね?』



いきなり激怒されて、思わず突っ込んで
しまった。


ほら、敦君なんて呆れた目で見てるし。




「あはは、怒ってないよ。いつかは聞かれると
思っていたからね!この【封印されし神の手】
のことを!」


「完全にルビが迷子ですね。」


『軽く中二病だね。』


「!まずい、右手が疼く!」


「え、大丈夫ですか。いろんな意味で。」



いきなり右手を抑えて悶え始めた治さん。

それを敦君は呆れたような冷ややかな目で
見ている。


と、今度は乱歩さんが

「抗うことはないよ太宰……それが神の意志なのだから。」


おっとこちらにも中二病が。


「乱歩さんまで!?」


敦君も吃驚してる。それでも突っ込みを
放棄しないんだね、偉いよ。



「二人はキリシタンだったのか!?」


今度は独歩さんがガタッ!と席を立つ。
間に受けすぎだからね……


「賑やかですね。」


「敦のやつ、遊ばれてるねェ……
夕姫、馬鹿が移るからこっちにおいで。」



部屋の一角で賢治君と晶子さんがのんびり
ティータイム。

私もお呼ばれしたので行く。


『いやー、今日も騒がしいね。』


晶子さんからもらった紅茶を飲みながら
笑ってそう言った。











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