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□君が…。
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『謙也さん。』
「何や?」
『俺、あの時、謙也さんが助けてくれなかったら、死んでしもうてたかもしれへん。あの時、俺、この世の中に、失望っていうか、絶望しか感じとらんかった。けど、謙也さんが、助けてくれた。誰も、俺に手を差し伸べてくれへんかった。けど、謙也さんは、違った。こんなに、ボロボロで、何もかも、汚れとった俺に、優しく手を差し伸べてくれた。俺が、汚れとるから、触るなって言うたら、汚くない。綺麗だ。汚れとるんわ、あいつ等や。って優しく、抱き締めてくれた。ほんまに嬉しかった。せやから、何回も言うとるけど。』
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