鳥籠のなかで

□そうだ合宿に行こうB
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獄寺と合流した綱吉は、とりあえず彼の治療をしてもらうべく、病院へ向かった。
お時間を取らせて申し訳ないです、と獄寺は謝るが、正直な話上手い具合に時間を潰せた。

デパートに着いたのが11:30ごろ。決して小さくないデパートの中から京子達3人を探さなくてはならない。途方にくれる綱吉だったが、ことは獄寺の一言で簡単に解決した。
「飯でも食ってんじゃないすか?」

フードコートに向かうと、いた。
綱吉が獄寺に感心していると、向こうから声をかけてきた。
「あっ!ツナさんですー」
3人のなかで一際賑やかな少女、三浦ハルがこちらに手を振った。


「...私はムクロ様がいいって言えばいい」
自分で決めろ!と怒鳴りたい衝動を獄寺は必死に抑えた。今までの経緯を考えれば仕方がないことかもしれないが、クロームは骸にかなり依存している。
彼女の判断基準はすべて骸だった。

「えー、クロームちゃんも行きましょうよー」
「そうだよ、きっと楽しいよ」
クロームは少し困ったように俯いた。骸が全てだった彼女の世界に京子やハルという友人が小さくではあるが、存在し始めている。

「じゃぁさ、クローム。骸にもこの合宿のこと伝えてくれないかな?」
綱吉は間を取り持つていをして、本来の目的を告げた。
「わかった」
「お前が行きたいと思うなら、ちゃんとそれも骸に伝えろよ」
獄寺が、恐らく彼女には一番必要なことを付けたした。
獄寺は骸を信用していない。同様に彼に依存するクロームも。しかし彼女が変わり始めているのなら態度を変える必要があることを理解している。

「獄寺さん、たまにはいいことも言えるじゃないですか」
ハルが見直したと言わんばかりに言った。
「だまってろ、アホ女!」
「ハルはアホ女じゃないです!」

いつものやり取りが始まり、周りは呆れながらも、半ば微笑ましくそれを見ている。そしてその輪のなかにクロームも確かに存在した。



綱吉と獄寺は再び学校に戻って、山本とディーノと合流することにした。
クロームは京子達との買い物が終わったら、並中に来てくれる。
あとは難関二人を残すのみとなった。
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