鳥籠のなかで

□最後の参加者B
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重度の天然(バカ)の山本に悪意がないことは誰もが承知していた。あわや乱闘かと思われた所で、フランが訂正を入れた。
「正確にはパイナップルではなくてパイナポーです」
否、火に油を注いだ。
「どこか違うの?」
つっこむところはそこじゃない、と誰もが思ったが、聞き返したのが雲雀だったため誰もつっこめなかった。
「ししょーのバカにされてると感じる度合いが変わってきます。パイナポーのが3割増でバカにされてる感じがします」
「いい加減になさい、フラン」
骸から黒いオーラが出ている(気がする)。
「そのうちまた生えるよ」
「…何がですか、雲雀恭弥?」
もう笑顔が引きつりすぎている。
「ヘタが」
その一言を皮切りに、二人は戦闘に入った。

戦闘が中断されるまでそんなに時間はかからなかった。
「もういいです、疲れました」
そういって骸は武器を下ろした。
雲雀は怪訝そうに見つめている。
「沢田綱吉、今までスルーされていた部分にツッコミを入れてください。何をサボってるんですか」
わけのわからない言い掛かりをつけられる綱吉。完全な八つ当たりだ。

「えっ?じゃぁ、山本は地雷の上に狙いすまして着地しないで!フランは火に油を注ぎすぎ!もう少し師匠に気を使いなよ、それから雲雀さん!なんかいろいろズレてます。意外と頭わ
後からまとめてという形だったため勢いに欠けるツッコミだったが、最後まで言葉を紡ぐことはなかった。
「うるさいよ」
雲雀恭弥が両手のトンファーを投げたのだ。するとツッコミをしていた綱吉は霧散し、2箇所から悲鳴が聞こえた。

結論を言えば、ツッコミをしていた綱吉はムクロの作った幻覚だったのだ。
右手のトンファーは幻覚で悪態をつくのに夢中になっていたムクロに命中。
「…なん、で、俺まで」
もう一つは本物の沢田綱吉に命中していた。
「なんとなく」
その理不尽さに突っ込む前に、彼は事切れた。

完全なトバッチリを綱吉に食らわせた雲雀に獄寺が噛み付くが、雲雀がスルーしたため更にまた一悶着起こり、そうこうするうちに女子組を牽引した了平が到着した。
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