鳥籠のなかで

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「ここにいる誰かの知り合いか?」
「知らないです」
「何でここにいるかわかるか?」
「わからないです」
何だろう。ディーノさんの質問に対して答えてはいる、いるけど会話が成立しているようには見えない。
「おい、いい加減にしろよ。ちゃんと答えやがれ」
獄寺君がイライラしながらつめよる。と、フン、といった感じで無視した。
「てめぇ!」
この子すごく誰かを彷彿とさせる。
「あとでまたいろいろ教えてな」
ディーノさんは笑顔でその子の頭にポンと手を置いてこっちに戻ってきた。

「とりあえず状況を整理するか。
俺たちはバスで崖から落下、何とか生き延びたもののバスの中で気絶。目が覚めたらここにいて、保護されたふうでもない。が拘束もされていない。
いないのはリボーンとキョウヤの2人。ここまではいいな?」
すごく分かりやすく現状を説明してくれた。それを骸が引き継ぐ。
「僕はこの状況がその2名による共犯ではないかと疑ってます」
「えっ!?」
思わず声を上げたら睨まれた。
「続けます。アルコバレーノはこの合宿の発案者ですし、疑うのは当然でしょう。それに参加を断り続けていたにも関わらず、何故か急に了承した雲雀恭弥。彼を説得したのはアルコバレーノでしたね。何らかの取引が持ちかけられたと推測できます。
それに墜落するバスの中での雲雀恭弥の異常な対応力。ほとんど静観していたアルコバレーノの落ち着きもこれで説明がつきます」
「つまり、」
ディーノさんが結論を促す。
「えぇ。アルコバレーノの悪質な悪ふざけではないかと」
…否定できない。ていうかそれがすごく怪しい。リボーンならそれくらいのことしそうだ。

「失礼だね」
「「雲雀(さん)!?」」
全員の視線が集まるのに不快そうに眉をひそめてる。ていうかこの人今までどこにいたんだろ?
「では、君は関与してないと?」
「当然だろ?僕は人を引っ掛けて楽しむことには興味ないし、嘘もつかない」
君と違ってね、と付け足す雲雀さん。
「信じられませんね」
「別に信じてくれなくていいよ」
「ゆいもその人嘘ついてないと思う」
謎の少女(?)がポツリと言った。
「あぁ、君無事だったたんだ」
「死ぬかと思いました」
「ん?知り合いか?」
今まで黙っていたお兄さんがみんなの疑問を口にした。
「その子がバスのトランクに荷物に隠れて乗るのをみただけだよ」
「気づいてたなら止めろよ」
獄寺君が呆れ交じりに言った。

「とりあえずキョウヤ、お前が意識を取り戻してから今までの経緯を説明してくれ」
「いえ、参加するに至った経緯からです」
雲雀さんは凄く面倒くさそうだ。
「嫌だ」
やっぱり…。
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