無双

□*GAME*(橘ニコ様キリリク)
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すっかり夜も更けきり、皆が寝静まった静寂の中、一つの室の中央に円を描くように座り寄る甘寧、凌統、そして孫家一家と






陸遜。









<陸>「あ、あのー…このような時間に何用でしょうか‥?」

自分を中央に囲むようにして座りこんでいる甘寧、凌統、孫堅、孫策、孫権からの視線を個々に浴びながら気まずそうに口を開く陸遜。
自分は何か不味い事でもしてしまったんだろうかと思い、緊張のあまり全身から嫌な汗まで滲み出てくる始末だ。
しかしここ最近の記憶の糸を探ってみるものの、これといって目立った失敗もなく、何故このような時間に自分がこの場に呼ばれたのかが、はっきり言って検討もつかない。

おずおずと困惑顔を浮かべる陸遜に、この国の君主、孫堅がにこやかな笑みを投げかけ、背後に隠し持っていた酒瓶を取り出した。



<堅>「まぁ、そう固くなるな。実はな、策がこのメンツで杯を交わし合いたいと言って聞かなくてな。早い時間から飲み始めると他の者も集まって来てしまうだろう?こんな時間に突然呼び出してしまってすまんが、近い未来の君主の我儘だと思って大人しく聞いてやってはくれまいか?」



あぁ、それで呼ばれたのか。

自分のマイナス過ぎた思考に苦笑いを浮かべつつ、陸遜は小さく頷いてみせた。


<陸>「そういう事だったのですか。私などで良ければ何時でもお付き合い致しますよ」
<堅>「そうか。そう言ってくれると有り難いな。おい、良かったな、策」
<策>「おぉ!陸遜、ありがとな。じゃあ早速始めようか」

そう言って実に嬉しそうに微笑む孫策に、陸遜もつられて笑顔になる。


各自に酒が回され、乾杯の音頭と共に酒に口を付け始める。
酒を飲み始めて暫らくすると、孫策がニヤニヤしながら複数の割箸のような棒切れを取り出した。
何故そんな物を?
そう思い、自然と棒切れに目がいってしまう。
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