ONE PIECE

□追憶の彼方@
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SIDE.M



マリンフォードの忌々しいあの出来事から数日。
船は活気を取り戻し初め、隊員達にも随分と笑顔が見え隠れするようになってきた。



エースも親父も重傷だが生きている。



――生きているのだ――



その喜びに自然と頬が和らいでいくのを感じた。
神様なんざ信じた事もないが、もしかしたら居るのかもしれねぇな、などと普段ならば絶対に考えないような思考が巡り、自分の緩みきった脳内に思わず笑いが出てしまう。





「エース…」

今だ目の前で眠り続けている愛しい存在の名を口にする。


赤犬に付けられた胸の大きな傷の他にインペルダウンに収量されていた時に出来たのであろう痛々しい程の生傷の数々。

頬が痩け、痩せてしまった身体を前に、助け出して抱き締めた時は酷く胸が痛んだのを覚えている。





もしかしたら目が覚めているかもしれない。

淡い期待を胸にエースの部屋の前まで足を運んだ。

部屋の扉をゆっくりと開けると、ベッドに腰を下ろしたまま窓の外を眺めているエースの姿が視界に飛び込んできた。
ドクリ、と心臓が震える。



「――エース!」


愛しいその名を呼べば、こちらを振り返るソバカス面。

「マルコ…」

「―…っ、エース、エースッ」

ぎゅ、と抱き締めれば触れ合う箇所からじんわりと伝わる体温に目頭が熱くなって行くのを感じる。


「……っ、」

「マルコ…泣いてるのか…?」

「…っ、誰がてめぇなんざの為に泣くか糞餓鬼が」

「…うん。マルコ…」














「―ありがとう。だだいま」

穏やかな笑顔を浮かべ、呟かれたその言葉に、一粒の涙が零れた。











―――――――――――
エース助かって欲しかったです(涙


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