ONE PIECE
□独占欲【ジュン様リク】
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マルコが怒ってる。
そりゃあもう怒気と覇気が入り交じって醸し出す空気が禍々しい程に。
怒ってるなんて可愛いものじゃなく怒り狂ってるという言葉がぴったりなんじゃないかと思う。
独占欲
今日は久しぶりの島で俺は、町に着くなり飯食って食い逃げして町の中を探索してまた飯食って。
あれ?
飯しか食ってねぇな俺。
いやいや、
そんな事はどうでもいい。
問題はそこじゃない。
その後が問題だった。
夕方になって小腹が空いてきた俺は腹ごしらえついでに喉も潤そうと、こじんまりとした酒場に足を運んだ。
普段から騒ぐ事が大好きな俺にしては大人っぽい静かな酒場を選んだんじゃないかと思う。
カウンターに座って店の親父と他愛もない事を喋りながら酒を飲んでたら、俺の隣に座ってた男が口を挟んできた。
「聞いてくれ!失恋しちまったんだよ!!」
そう言って、まるで水でも飲んでんじゃねぇかってくらいのいい勢いで酒を飲み始めたかと思ったら、
奢るから一緒に飲んでくれ!って泣きつかれちまったもんだから断る訳にもいかず、気がついたら男のペースに流されて俺自信ベロベロに酔っ払ってた。
そう。
これがいけなかった。
「なぁ、お前俺が失恋した奴に似てるよ」
「はは!俺に似てる女じゃ、随分可愛い気のねぇ女だったんだな!」
ケラケラと笑ってそう言うと男は急に真面目な顔になって俺の両手をがっしり掴んで詰め寄ってきた。
「俺が好きだった奴も男だ!頼む!一晩でいいから付き合ってくれ!!」
えぇー…。
何言ってんだコイツ。
一晩付き合うってアレか。
アレ?
視界が何だかボヤけてきた…。
寝るな!
寝たらヤバい。
絶対ヤバい。
脳ミソは危険信号を出し続けているが、睡魔が容赦なく襲い掛かってくる。