ONE PIECE

□かずを様リクエスト
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俺は今、物凄く機嫌が悪い。





どれくらい悪いかって聞かれたら、もう近づいてくる奴を片っ端から殴りたくなるくらい。

その原因が、目の前で呑気に飯食ってやがる。






超美人のナースと。









「はぁー…」

本日何度目か分からない溜め息を吐いて、すっかり食う気が失せてしまった食べ掛けのパスタをフォークでぐるぐるしてると、後ろから思いっきり頭を小突かれた。

「いてぇ!」

「痛くしてんだ。食いもんで遊ぶんじゃねぇ」


ズキリと痛む頭を擦りながら声の持ち主であるサッチを睨み付ける。
サッチは俺の睨みなど全く気にする様子もなく、俺の隣の席に腰を下ろした。


「マルコ、モテモテだな」

頬杖をついてマルコに目を向けるサッチ。
まあ、モテモテというよりは一人の美人ナースが数日前からマルコにベッタリなだけ。
そしてマルコも満更でもなさそうなだけなんだけど。

そりゃあ、俺みたいな厳ついガタイのいい男なんかよりも柔らかい女の方がいいだろうけどさ。


「サッチ〜。慰めてくれよ〜」

「おいおい、情けない声出すんじゃねぇよ」

「だってさぁ…」


チラリと視線を向けた先にいる二人はとてもお似合いに見えた。
別にベタベタしたりイチャイチャしてる所を見た事があるわけじゃないけど、あんだけマルコにベッタリなんだから、マルコに気があるのだけは確かだろうと思う。
マルコだって嫌だったらあんなに相手にはしないだろう。
俺なんかより女の方がいいに決まってる。そんなの最初から分かってた事なのに、胸が痛くて堪らない。



「……俺、諦めようかな」



小さくポツリと呟いた声はサッチにも届いたみたいで、サッチは一瞬驚いた顔をした後、すぐに何時もの表情に戻して俺の頭をぽんぽんと撫でた。


「エース。俺でよかったら何時でも相談に乗ってやるからそんな弱気な事言うんじゃねぇよ」

「……うん。ありがとうサッチ」

「だから!そんな情けねぇ顔すんなって。なんなら今夜一緒に飲むか?」


手でクイっと杯を飲む仕草をしたサッチに俺は口元を上げて、ニッと笑う。


「おう!じゃあ酒持ってサッチの部屋行くよ!」

「ん〜、俺の部屋は汚いからお前の部屋な!」

「あれ?サッチの部屋、昨日まで綺麗だったじゃねえか」

「うるせぇ、察しろ。俺の部屋には見られたくねぇもんがいっぱいあるんだ」

「見られたくないもん?」

「ポルノてきな?」

「あはは、今更だろ。まぁいいや、じゃあ夜、待ってるな!」

「おう!」




飯を食い終わったサッチが手をヒラつかせながら食器をコックに返しに言った。

サッチと話した事で少し元気になった俺は、目の前に置いたままだった残りのパスタを平らげ、食堂を後にした。

マルコがこっちを見ていた気がするけど、気がついていない振りをして。












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