呪泉郷

□許嫁の存在を知ったマルコ
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オヤジに呼ばれて部屋に入った俺は、許嫁という言葉を耳にして絶句した。




「オヤジ…今なんて?」

「グララララ、驚くのも無理はねえ。ロジャーんとこの娘と籍入れろっつたんだ」

「なんで俺が…」


呆気にとられる俺に再度豪快に笑うオヤジ。


「グララララ、ロジャーんとこの大事な娘を貰うんだ。俺も出しても恥ずかしくねぇ一番自慢の息子を出さねぇとなぁ」

「オヤジ…認めてくれてんのは嬉しいけどよ、結婚なんて俺は……」

「もうロジャーにも伝えちまった。まあうちにはお前ェじゃなくても息子が溢れてるから、ロジャーの娘に選んでもらったって構わねぇんだがな。とりあえず会うだけあってくれや。お前ェがどうしても気に入らなかったら他の奴に振っちまえばいい」


じゃねぇと俺が顔向け出来なくなっちまう。
そう笑うオヤジに俺は苦笑いを浮かべながら小さく頷いた。









「マルコ!」

「あ?」


オヤジの部屋から出た俺は早速娯楽好きのサッチに捕まった。
顔面をニヤニヤさせながら近付いてくるサッチに深い溜息を漏らす。


「お前ロジャーの娘と結婚すんだって?」

「まだ決まった訳じゃねえ」

「えー。だって許嫁だろ?でもロジャーの娘って……想像もつかねぇな」

「したくもねぇよい」

「だはは!まあそう言いなさんな!目茶苦茶可愛いかもしれねえじゃねえか」

「だといいんだけどねい」

「明日行くんだろ!?」


あ〜楽しみだぜ〜!
と笑いながら去って行くサッチにまた深い溜息が漏れた。














 

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