龍虎相搏
□始マリノ終ワリ
2ページ/6ページ
八岐大蛇さんが現世にいたくらい、昔のことです。
山奥の村に、私はいました。
親が居ないみなしご(孤児)で、村の長の家で召使をしていました。
中国語で召使というのは、丁といいます。
この時の私の名は『丁』でした。
「おい、そこを掃除しろ」
「…はい」
「全くなんでこんな所にお前のようなみなしごがいるのだろうな」
「……」
「まぁー…きっと次の生贄はお前だろうが」
私がみなしごといことで、よくバカにもされました。
村の長でも、子供にこのような暴言を吐く馬鹿ですからね。
馬鹿な村長の言葉を無視し私は、仕事をしました。