その他×○○

□【凸凹な僕等】
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「っ、」



ゴクッとカメラマンの喉が鳴った。

本当に背中を見つめるような、
そんな愛おしい表情を作り出していた。



「お疲れ様です」
「ありがとうございました」



撮影関係者の人に挨拶し、
福士は軽い足取りでスタジオを後にした。



(、............)



岡田さん居ないかな。
また、会えないかな。

少しの期待と緊張が胸を踊らす。



「ーーーっ、あ」



少し広いロビーに岡田さんは居た。
そこには結構、多くの人が集まってて。

それでも福士はまた喋りたくて。
直接会いたくて。少しでも触れたくて。



「お、かださ......」



岡田に向かって手を伸ばした瞬間。
呼び掛けていた名前を引っ込めた。



「お前の顔見れて良かったよ」
「最近、テレビでしか見なかったしね」



岡田と喋ってるのはV6のメンバーで。



「、俺も会えて嬉しかった」



坂本と長野に向かって微笑んだ。



「井ノ原もいたんだけど.....帰ったのかもな」



坂本の言葉に少し唇を尖らせる岡田。



「え〜、ショック」



元気貰いたかったのに、と呟いた。



「岡田それって.....
俺達じゃ元気を貰えないってことなのかな?」



長野の両手が岡田の頬を軽く摘む。
それに対してごめん、と笑いながら謝った。



「冗談やって〜〜」



それならよろしい、と手を離す。
その真横では坂本が笑っていた。



(.........何か、嫌だな)



胸の奥が締め付けられる感覚を覚えた福士。
見たくなくても、もう目が離せられなくて。



(、ん......?)



不意に視線を違う場所へ移した坂本。

ピタッ、とある一点を見つめる。
そこには見たことがあるような顔。

長身でカッコ良く、
今、女子からの人気が物凄く高い人。



「確か、岡田と映画で共演してた......」



ふと、バッチリと目が合った。

ーーーーーヤバい。
福士は逃げようとした。

でもそんなことは出来るはずもなくて。



「岡田に用事あんじゃねーの?」



ずっとこっち見てるけど、と坂本が言う。



「、?何のこと?」



意味深そうに眉を潜める。
スッ、と坂本の視線を辿って見た。

そこには撮影前にも会った福士がいて。



「あ〜っ、福士君だ〜」



おーい、と嬉しそうに手を振る岡田。
すると福士は照れた様子で頭を下げた。



「こっちおいでよ」



そう言うと福士はゆっくり歩いて来る。



「は、初めまして。福士蒼汰です」



3人の目の前で再び頭を下げる。
そんな福士の顔は緊張気味な様子で。



「.........でけぇな」
「テレビの中の人かと思ってたよ」



驚く坂本に比べて微笑み掛ける長野。



「岡田がいつもお世話になってます」
「っと、とんでもないです」



長野の言葉に首を横に振る。



「俺の方がいつもお世話になってます」



そう言って、チラッと岡田を見た。
すると岡田はジーッと見つめていて。

恥ずかしくて目を逸らすと。



「やっぱ可愛い〜」



そう言いながら軽く岡田が抱き着いてきた。
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