三宅×○○

□【夏色Days】
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季節は真夏で太陽が照り付ける。



「准ちゃーん」
「も〜。暑苦しいから離れてよ」



後ろから抱き着いてくる井ノ原を、
完全に嫌な顔を出している岡田は引き離す。



「っははは、本気で岡田嫌がってるし」
「...............餓鬼かよ」



長野の言葉に興味無さそうにする坂本。



「っおい、健!!」
「ーーーっ、へ?」



ふと我に返れば森田が顔を覗いていて。



「へ?、じゃねぇよ!早く取って来いよ!!」



そう言って、ある一点を指差した。



「っ、げ」



そこに示されてたのは、
浜辺を転がって海の上に浮かんでるボール。

今日はV6メンバーでの久々の撮影。
テーマは【海の男】。
この季節には持ってこいの撮影現場。

今は休憩時間で、
森田と三宅は2人でビーチバレーしていた。



「早くしねぇと流れちまうだろーが」



ほらほらっ、と急かす森田。



(ちぇ〜。別に他のボールで良いじゃ......)



ーーーーーあ、また。

不意に視界に岡田が映った。
井ノ原から必死で逃げてる。



「けーーん!!危ないから海に行くなよ!!!」



少し離れてるところに居る長野と坂本。
歳のせいなのか海に来てもはしゃがない。

そう思ってるのは俺だけなんだけどね。



「分かってるよーっ」



大声で返事をして海に背を向けた。



「ってことで、あのボールは諦めよう」
「.........お前最初からそのつもりだったろ」



ギクッとする三宅に溜め息を付く森田。



「お前って泳げねぇの?」
「っお、泳げるし!!」
「なら取って来いよな!!」



うっ、と喉を詰まらせた。



「なんなら俺が取りに行ってやろうか?」



お子ちゃま君、と付け足してニヤっとした。
そんな森田を見ては黙ってはいれない三宅。



「俺が行くって言ってんだろ!!」



最後はもうヤケになっていた。
見とけよ、と再び海の方へ歩き出す。



「きゃっ、健君カッコいい〜」



後ろから聞こえる裏声を使う森田の声。
それを無視して広い海をジッと見つめた。



「健君ったら頼もしいわ〜」
「.....................」
「早く取ってきて〜」
「..................っ」
「泳げないのかしら〜?」
「っ、うるさいよ!!!」



さすがにイラついて言葉を返した。



「いやーん、こわーい」



依然として裏声を使う森田。
相変わらずの陽気な性格に息を吐いた。



(行けばいんだろ......)



半ばやり投げで足先が波に触れた。

ヒヤッと冷たい感覚。
砂浜が波打ち際でキラキラ光る。



「冷た......」



どんどん海に入っていく三宅。

ボールまで後少し。
手を伸ばすと届きそうな距離。



「......っ、ん」



ゆっくりと手を伸ばした瞬間だった。



「ーーーっ!!!!!」



ガクンッと足が深い溝にハマった。
それと同時に、一気に海に沈んだ。

一瞬のことで驚いてもがく三宅。
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