後藤 誠二

□Voice…
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それは、ある晴れた日の事だった…

(今日は誠二さんに逢える…)

誠二さんとは3ヶ月ぶりの
デートだった。
思いを馳せてると携帯が鳴った

誠二 『良子?久しぶりだな 』

良子 『誠二さん!お久しぶりです。 声が聞けて嬉しいです』

誠二 『…すまない
寂しい思いをさせたな…
早くアンタに逢いたい…
逢って抱きしめたい』

(誠二さん…)

良子 『私も早く逢いたいです』

誠二 『今から行く、待ってろ』

良子『え⁉︎ 今からですか?』

誠二 『…ああ、嫌なのか?』

良子『いえ…そうじゃなくて誠二さんも仕事が終わったばかりだから…』

誠二 『アンタの部屋で休むから
大丈夫だ』

良子『そ、そういうことなら…』

誠二 『良子…今、顔赤いだろ』

良子『なっ⁉︎』

耳元で誠二さんのクスっと笑う
声が聞こえた…

こんな他愛もない会話さえ
愛おしく感じながら
最愛の人を待った。

(何か作って待っていよう…)

冷蔵庫を見ると大した
材料が無かった為、誠二さんに
買い物に行くとメールして
家を出た。

買い物を済ませ家に戻る途中
知らない男に声をかけられた

男 『平泉の娘だな?』

良子 『⁉︎』
良子 『…はい、そうですけど…』

男 『この男を知っているな?』

男は写真を一枚出して見せた
そこに写っていたのは…
誠二さんだった。

良子 『……』

私は咄嗟に口をつぐんだ。

きっと誠二さんが担当していた
事件と関係しているのだと思い
ウソをついた。

良子『知りません』

そう言って顔を横に背けた

男 『嘘をつくな。コイツは
お前のフィアンセだろ?』

(そこまで知ってるの…⁉︎)

男 『黙っていられるのも
今のうちだ』

良子『どうい…… …っ!』
言い終わるか終わらないうちに
私のみぞおちに鈍い痛みが
走り意識を手放した…。
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