夢旅

□能力検査
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「ーというわけだ。理解しがたいとは思うが、これは全て事実だ。……ある程度は理解したか?」
小町艦長に問われ、頷く。
「………はい、なんとか理解しました」

えーと、つまりはこういうことなのだろうか?



・火星探索には、テラフォーマーとの戦闘は避けれない
・テラフォーマーは凄く強い
・今、謎の病気が流行していて、人類は絶滅の危機に瀕している
・薬を作るには、テラフォーマーのサンプルが必要


………………話が突飛すぎて、理解するのが難しい。


本当にこの世界と私の世界は違うのだ。





………それを改めて叩きつけられた気がする。



「……それにともなって、もうすぐ能力をランク付けするテストがある」
ミッシェルさんが、口を開いた。
「ランク?」
「それは、テラフォーマーをいかに捕獲できるか、という点でランクが決まる」
………捕獲ということは、極力、殺してはダメ。ということなのか……

「マーズランキングと呼ばれているが、お前もそれを受けて、何位かランク付けさせてもらう」
「それは、難しいものなんですか?」
筆記テストなら、少し自信がない。まあ、体力もないのでどのみち、同じたが。

「難しいというか、実戦的なことをやる。つまり、テラフォーマーと実際に戦ってもらう」

……ん?

さらりと言ってのけたミッシェルさんだが、ちょっと待て

「えっ?!テラフォーマーと戦うんですか?!」驚きと恐怖で、声が震える。……絶対できる気がしない

「そうだが、安心しろ。テラフォーマーといっても、力や姿を似せただけで、ロボットのようなものだ。危なくなったら、こちらから止めることも出来る」その言葉を聞いて、安心する。火星に行く前に、死んでしまうかと思った………。

「なるほど、分かりました。そのマーズランキングのテストをやる前に、能力を使いこなせるようにしておけばいいんですね?」
「……そんなに緊張しなくても大丈夫だ。お前は哺乳類型だから、多分、非戦闘員だろう。火星にいっても、直接奴らと戦うことはないだろう」
ミッシェルさんが、そう言うと、小町艦長はそれを否定するように言った。

「いやーわからんぞ?案外、上位にランク付けされたりしてな!」明るく笑い飛ばされるが、正直、微妙な気持ちだ。
「………喜んでいいのか分かりませんね……」









******テスト当日

私の能力は、音や超音波を操る……か


一応、訓練はしたつもりだ。でも、何に使うかイマイチ分からない。
声を出して、周りの障害物や生物の位置などは分かる。色々な音や超音波は出せるが………

(……なんだか、ぱっとしない能力だなー)それだったら、燈やマルコス、アレックスみたいにカッコいい生物がよかったな……



「渡邊はるか、テストを行う。シュミレーションルームに入れ」考えていると、呼ばれて遂にテストが始まる。


「よしっ!頑張ろう……」深呼吸をして、呼吸を整える。
私の能力にとって、呼吸のリズムは大切だからだ。


緊張は、しない。しちゃいけない。リラックスしろ。

大丈夫……できる



扉を抜け、白いドーム状の中に入る。

プシュッと、扉が閉まる音が聞こえ、退路はないことを教えてくれる。


そして、前にある重厚な扉が開かれる。
……分かる、ヤツが、テラフォーマーがくる!!


「ーテスト開始」



首に薬のパッチをはる。



「人為…変態!」


さあ、こい。テラフォーマー。怖くてもやってやるよ!
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