夢旅

□異なる世界へ
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午後の授業ほど、眠いものはない
はるかはあくびを噛み殺して、黒板に書いてあることに集中する。

………本当にわからない。

私は、運よく有名な高校に入ることができた。しかし、勉強についてゆけず、このざまというわけだ。
テストばかりで、頭が痛くなる。こういう時は、駅前のケーキ屋でたくさんフルーツがのった、タルトを食べるのが一番だ。
(あー、食べたいな〜あっ!新作チェックしとかなきゃ……)
「おい、渡邉!聞いているのか!」
「うおあっ、はい!!聞いております!」や、やってしまった…!ついスイーツのことを考えて…!
「なんだよー、聞いております!…って、お前また飯のこと考えてただろー。大食い女だなー」クラスの男子がそう言ったので、クラス中に笑いが伝染していった。
「〜っ、すいませんでした……」山口め、覚えておけ。お前の家に行って、冷蔵庫の中のプリン全部食ってやる!沸々と込み上げてくる怒りを抑えて、視線を前に集中する。
……なるほど。まったく分からん。

ぼーっとしていた罰か……


******


やっと、大嫌いな数学の授業が終わり夕日が窓からさしこむ。
カバンに次の日の授業の教科書と、やらなければならない宿題を詰め込む。皆は、思い思いに教室に散らばっている。明日は土曜日だ。きっと、どこに遊びに行くか決めているのだろう。
しかし、私は既に決まっている。明日は、有名なパティシエが作ったケーキバイキングと決まっているのだ。



笑顔で教室をでると、ふと友達のさなえを思いだした。さなえは、柔道部でものすごく強いのだ。一回、技を教えてもらったが、力と体力がなくてギブアップした。さなえ曰く、(筋はいいんだけどねー、イメージに体がついていってないかんじ?)
あいつが、風邪で学校を休んだのだ。あのさなえが休む事態なので、一応お見舞いにいっておこう。
そう思いながら、学校をでて、ケーキ屋へと進む。

ケーキ屋につき、店の中に入る。(さなえは、チーズケーキがいいかな?)
自分用のフルーツタルトと、チーズケーキを頼み、笑顔の店員から受けとる。


店を出て、さなえの家に向かう。
夜の冷たい風を受けて、マフラーが揺れる。さなえの家は、地味に遠いので、しょっているリュックが重く感じる。まあ、実際に重いのだが。



踏切があり、それを渡る



この時、この瞬間、はるかは後悔することになる


今日、さなえの家に行くべきではなかったのだ



いつもの道で帰るべきだったのだ



そして





踏切を渡る。渡った。











「……どこ?ここ」
目の前には、見たことのない街が広がっていた。
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