夢旅

□新しい友達
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説明しよう。私は、自分の部屋がわからず、勘で入った部屋はアドルフさんの部屋だったのだ。……やってしまった!!小町さーん!もっと、詳しく教えてくださいっ!

(どうしよう……そりゃ、知らない人に部屋入られたら嫌だよね……謝らなくては!)そう、決心してアドルフさんに向き直る。
「アドルフさんの部屋に勝手に入ってすいませんでした……えと、そのですね非常に厚かましいのですがー」
「…なんだ。早くしてくれ、俺も忙しい」ちょっと、苛立ちながら言われる。…怖い。

「じ、自分の部屋が分からなくて…教えてくれませんか?」
アドルフさんを見ると、怒りを通り越して呆れているようだった。
「お前…勝手に入っておいて、ど「失礼なのはわかってます!でも、本当に分かんないんですっ!地理はいつも赤点なので!!」…………」



あまりの必死さにアドルフは、呆れというかなんというか、警戒するのも馬鹿らしく思えてきた。

「お前の部屋は、詳しくは知らんがこの隣だ」指を指しながら、教えてやると、目の前のこいつは笑顔でありがとうございます!と言って、去っていった。





「なんだったんだ……」あれが、報告書にあった例の少女…か。モザイクオーガンがあると聞いたときは、驚いた。……果たして、どんな能力を秘めているのか。


(……それにしても)

明るいやつだった。笑顔を見たときそう感じた。きっと、普通の家庭で生まれて何不自由なく暮らしてきたのだろう。……なんとなく感じた。
前もそんなやつが、話しかけてきた。アドルフは、写真立てを見る。そこには、幸せそうな二人が写っていた。


(……ああ、俺は臆病者だ)






*******

(部屋にやっと、安住の地にやっと辿り着いた……)

この世界に来て、こんな安らぐ場所があっただろうか!
走って部屋のベッドにダイブする。
「うわー!ふかふかだー!」枕をモフモフする。暖かいし、柔らかいし早く寝てしまいたい。


天井を見つめながら、考える。


私の能力ってなんだろうか?


私は、この世界に在っていいのだろうか?






まあ、そもそもどうやって来たとか分かんないし帰り方も分かんないしね。



(考えても仕方ないか!)足を思いきり振って、ベッドから立ち上がる。




くぅーーっ


とたんに、お腹から情けない音が聞こえてきた。

「そう言えば、何も食べてない…お腹減ったー」部屋を見ると、私の持っていた荷物が置いてあった。
それを見ると、無くなったものはなかったのでひとまず安心する。

「…ケーキはさすがにないか。そりゃ、腐ってるよね」
あの時買った、さなえと私のケーキは無かった。
「うう、どこかに食べ物はっと」部屋を見渡すと、テーブルの上に一枚のメモが置いてあった。


『何か用があったら、備え付けの電話を使ってくれ。それと、食堂は一階にある 小町』
食堂か…ちょうどお腹減ったし行こうかな。



「…というか、小町さん……」














「もっと、詳しく場所書いてくださいよっ!!分かんないですよ!この施設どんだけ広いと思ってるんですか!」
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