モノクロ≠カラフル
□☆.出会いと始まりT
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―――――『…アキホ?』―――
とても、聞き慣れた声。それは、
―――――『兄さん……?』―――
ウチの兄さん、「竜胆カルム」だった。
『アキホ……か?』
『!……っ……兄さんっ!』
ウチは兄さんに思いっきり抱きついた。
それと同時に、ウチの目には涙が溜まっていた。
『……兄さん…何でここにいるの?』
このままじゃ本当に泣いてしまいそうだったから、それを紛らわすために兄さんに話しかけた。
それを知ってか兄さんは、いつもより優しい声で答えてくれた。
『それは…こっちも聞きたいんだが……それに、アキホは……何でここにいるんだ?』
『……………』
少し、話すのが怖かった。兄さんにあんな事を話してもいいのか…
『…まあ、無理して言わなくていいんじゃねーか?』
と、ウチの頭を撫でながら、兄さんはそう言ってくれた。
けど、話した方がいいと思ったウチは、
『ん、話す……』
と、小さく言った。
『…そうか…』
兄さんはそれに答えてくれる。
そして、ウチはなにが起こったのかを、どうしてここにいるのかをポツリ、ポツリと話した。
『…う――ん………アキホもかー…』