main

□飴
1ページ/2ページ

カラン。ドロップ缶がなる。ドロップは、赤、白、黄、緑、紫等のカラフルな色の飴。色も違えば味も違う。そんな飴玉を今日も一口。お?今日は白いドロップ。そう言えば、うちの白いのは?
あ、寝てる。寝顔が可愛い。
もう少しで眼鏡が帰ってくる。眼鏡にも1つ、ドロップをあげようか。
「ただいま〜」ガラガラガラっと玄関の音がなる。早く中に入らせようと、腕を引っ張る。苦笑いをしながらも自ら中に入ってくる。手のひらを差し出してもらう。カラン。白の次は赤。白いのはいつの間に起きたのか後ろに立っている。「何?お前ドロップもってんの?くれよ。」
白いのはかなりの甘党だから、あげないとしつこい。手のひらを差し出す。カラン。赤の次は青。その時、私は気付いた。これ、私達の色だ。白が銀ちゃんで、青が眼鏡、そして赤が私。勿論、白は銀ちゃんだけじゃなくて定春も。奇跡だと嬉しくなった私は、顔を赤くしその場から逃げるように隣の部屋に隠れた。隙間から2人を見たら、困った顔をして笑ってた。そんな2人を見ていたら、何だか飛び付きたくなって、銀ちゃんに飛び付いた。最初は、どうしたんだ。と言った。でも、優しくギュッと抱き締め返してくれた。
もっともっと嬉しくなった私は、もう1つ舐めたくなって、口の中に放り込んだ。色は水色。きっと2人を表しているのだろう。
前に銀ちゃんが「甘い物ってのは、人を幸せにするんだ。人が甘い物を食べて幸せそうにするのは、そう言うことだ。」正直言って意味が解らなかった。でも今では解った気がする。何故なら、今とっても幸せだから。
3人でいる時間は、甘い甘い、幸せな時間。だから、この甘い幸せな生活が永遠に続きますように。そんな願いを込めながら、今日も1つ、ドロップを舐める。




後書き→
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ