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□助けるために
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あれ?
俺って、何してんだっけ。嗚呼、そうか。確か毒を盛れたんだっけ。そしてやりあって…。アイツに。
体が重い。体が沈んでく。呼吸がままならない。苦しい。意識が遠ざかってく。そうか。俺はもう死ぬのか。「…とき…。銀…。」声が聞こえる。眠くなってきた。誰かの声を聞いた俺は、それを最後に意識を手放した。





ふと、目をさました俺は布団の上に寝かされていた。隣には何時助けてくれたのかババァが。
時計の針は7時を指している。どのくらい寝ちまったのかなんて考えてる暇もなく、起き上がると直ぐに視界が悪くなり、頭もクラクラする。体がダルい。んだよ。熱あんのか?そう思って体温計を探そうと、布団から出ようとした。痛い。ちくしょー。動けねーじゃねーか。ちらっと、目をやるとババァが物凄い顔をしてにらんでくる。
「なぁ。どうやってあの状態の俺を助けたんだよ。」気になったから質問した。「ふん。目ぇ覚まして最初の言葉がそれかい。」
「るせーよ。いいから俺の質問に答えろよ。」
「はぁ…。アンタが何処かに引っ掛かってたんだよ。流されて。そして、陸に打ち上げられたんだよ。」
「それで、俺を助けられたのか。」
なるほどな。
「助かったな。あんがとよ。」
俺は、ババァに礼を言ってまた横になる。って俺、寝てる場合じゃねー。やべぇ。いそがねーと。
俺は急いで、準備をする。俺のこと、止めるのかなと思ったがババァは止めなかった。解ってくれたのか、「行ってきな。」と引き止めなかった。ただ、俺が玄関の引き戸を開けようとしたとき、「気を付けな。」と言う声がした。俺は「解ってらぁ。」と、右手をあげた。そして、小声で「行ってきます。」と。
うっし。やってやろーじゃねーか。毒を盛られて、ちと苦しいが。そんなこんなで気分が乗らないまま、俺はアイツのいる屋敷へと足を向けた。きっとアイツももがき苦しんでるから。
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