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□髪型
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「銀ちゃん、銀ちゃん」
私が呼ぶと銀ちゃんは気だるそうに「何だよ」と言う
「髪、結ってヨ」
「いっつも自分で結んでんじゃねぇか」
「なんで今更」と言う顔をしてコッチを見る
中々結ってくれなさそうなので一応殴っておいた
銀ちゃんの悲鳴が聞こえるけどそんな事はどうだっていい
私が頼んだ理由は簡単で
ただたんにお団子、ツイン、ポニテしかできないから
銀ちゃんなら以外に器用だからきっと色んな結び方を知ってるし
可愛くしてくれると思ったから
「なんで殴ったんだよ」と血を流しながら出てきた
正直怖い
私が若干引き気味に顔を見たら
「なんつー顔してんだ」と叩かれた
なんで叩かれたんだろ
頭を摩りながら銀ちゃんに「なんで叩くアルか!」と叫ぶと「うるせぇな」と耳を両手で塞ぐ
さり気なく「髪結ってやんねぇ」と言い始める始末
そんなの嫌だから黙っておくことにした
ついでに謝っておこう
そう思った時
「ハァ…どうすんだ
結んでほしくねぇのか」なんて珍しく言うから「さっさと結ぶアル!」と言いながら銀ちゃんの前に座った
「可愛く結べヨ」と言うと
「はいはい
じっとしてろよ」と頭をガッチリと固定される
銀ちゃんのあの大きい手で
クシで髪をとかしてる間にジタバタすると「落ち着けよ」と体を封じられた
結んでもらってるときも「頭動かすんじゃねぇぞ」と言う
10分ぐらい経ったかな
そろそろ終わりかもしれない
「鏡見てみろ」と鏡を渡された
想像してた髪型よりももっと凄くてびっくりしてたら「どうだ?駄目だったか?」なんて聞くから「そんな事ないネ!
スッゴク可愛いアル!」
私は冗談で言ってない
ホントに凄くて可愛くて嬉しかったから「ありがとネ」と照れながら言うと銀ちゃんは顔を赤くしながら俯いてた
こんな銀ちゃんもたまには悪くないと思ったのは秘密で
たまに髪の毛を結んでもらおうと思ったのも内緒だ
●●
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