Jugend

□第2話
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学校生活2日目。
どうやら僕は、黒子君と火神君と同じクラスらしい。
隣の席が黒子君で、左斜め前が火神君。
だから、2人の席は前後だね。

授業中は2人の観察をしていた。授業内容は、大体わかるから。

休憩時間は、他の子と喋ってた。
僕も友達ができたから安心したよ。
1年間……いや、高校生活で一人ぼっちって絶対に避けたかったからね!

でも、僕って幸運だよね〜。
可愛い子と友達になれるし、その子達は優しいし…。
それに、他の女子って、大体が僕より背が低いから、頭とか撫でやすくていいね。

あ、そうそう。挨拶代わりに1人1人ギュッてしたんだよね。
そしたらさ、全員顔真っ赤にしちゃってさ。メチャクチャ可愛かったんだよ!
兄さんとやってるように、額にキスしようかとも思ってたんだけど、抱きしめただけであんな反応されちゃあ…ね。

そうそう、それからね。
友達になった子のうち、数人がお菓子作ってきてくれるんだって!
言ってくれた時すっげえ嬉しくて!
ありがとう!って笑ったら、頬染めて固まられた。


で、今は部活中だよ。


風「詩乃?何やってんだ〜?」

『なんでもないよ。僕、得点やってるね』

風「りょーかい」


今、1年対2年で5対5のミニゲームをしようとしているところだよ。
理由は、雨が降っててロードが削れて。それでリコさんが、1年の実力を見たいって言ったから。


部員(以下・部)「センパイと試合って…!」


ん?なんかマズイのかな?
そう思って、近くの人に聞いてみる。


『なんでそんなに焦ってんの?』

部「あぁ、入部説明の時言ってた去年の成績、覚えてるか?」


去年の……。あー、兄さんから聞いたわ。確か……。


『1年だけで決勝リーグまで行ったんだよね』


僕がそう言うと、ゴクリと唾を飲む音が聞こえた。
みんなが勝てる気がしていないというのがわかる。


相(さ〜て、ルーキー達はどこまでやれるかな?)


リコさん、楽しそうな顔してる。
ん〜、僕、どっちの応援しようかなぁ…。


火「ビビるとこじゃねー。相手は弱いより強い方がいいに決まってんだろ!行くぞ!」


おおっ!火神君いいこと言うなぁ!
その通り。弱い奴は、やり甲斐がないからな〜。


風「なぁ、詩乃。どっちが勝つと思う?」

『ん?1年生』


マジでイキナリだった。まぁ、即答だったけど。
兄さんは、一瞬だけ軽く目を見開いたあと、ニヤリと笑った。どうやら兄さんも、僕と同じだったらしいね。
何か賭けることになると思ったんだけど…残念。


風「よし、始めるぞー」


兄さんがボールを放る。始まった始まった!

ボールを取ったのは火神君。…まぁ、身長高いしね。
そのままドリブルで先輩達をかわしていって…。


部「おぉっ⁉︎」


……ダンクをかました。
へぇ〜…すげぇ。

みんな驚いてるし、リコさんも目ぇ見開いてる。いやぁ、僕も想定外。
強いんだろうとは思ってたけど、ここまでとは…。見くびりすぎてたかな。


日「とんでもねーな、オイ……(即戦力どころか、マジで化物だ…‼︎)」


それからも、火神君が点を稼いでいく。


部「1年がおしてる⁉︎」

『いや、もうこれ火神君だけでやってるぞ』


1年生は11点あるけど…大半は彼だろう。
まぁ、なんか火神君はイライラしてるんだけどさ。理由はわかるよ〜。黒子君だよ。
さっきから………あ、また。


部「スティール⁉︎またあいつだ!」

部「しっかりしろー!」


黒子君にボールが渡ると、高確率でとられる。
あと、あの子足遅い。


火「(意味深なこと喋ってた割に、クソの役にも立ちゃしねぇ…。ザコのくせに口だけ達者っつーのが…)1番イラつくんだよ!」

「「…………‼︎」」


おそらくイラつくとか言ってたのは、黒子君に対してなんだろう。

火神君が乗ってきて、もうこれは止まらないとみんなが思ったとき。


『え、火神君のマーク…3人?』

火「………!」


さすがに火神君も驚いた顔をしてる。
ボールを持ってなくても2人…か。

火神君が止められれば、1年は中々点が稼げない。
先輩のシュートは止められず、火神君にパスしても、2人いるから弾かれる。
っつーか無理だろ!2人もマークいるんだから!

そうこうしているうちに点差は開き、15対31。先輩がリードしてる。
1年は、既に諦めモード。しっかりしろよ〜‼︎


風「ハハハッ、みんな、意気消沈、ってか?」

『この程度で⁉︎ありえない……!』


これぐらいの点差で諦めるのかと、メンタルの弱さにガッカリする。
………あ、これダメだ。もういいとか言ってる奴がいる。


火「もういいって……なんだそれ、オイ!」


ダブルチームでイライラしてるのは分かってるけど、その子にぶつけるのはよくないぞ。


風「なぁ、アイツ、殴ったりしねぇよな?」

『そりゃないでしょ』


あ、でも、止めた方がいいかな。
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