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□それぞれの初めて
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俺の幼馴染み、ナツは昔からかっこよかった。何をするにも一番でいつも俺のことまで気にかけてくれる兄弟みたいな存在。
「どうした、アキ。黙り混んで…」
今だってそう、いつもみたいにナツの部屋でだらだら喋ってる最中に考え事を始めた俺のことを気にしてくれる。母さんは昔から「ナツくんがお兄さんだったら良いのにねぇ」なんて言っていたから、俺もナツが兄弟だったら良かったって思ってた。
でも最近その考えがなんだか違う気がしてきたんだよね。
俺より背が高くてかっこ良くて面倒見が良い。そんな兄を持つのも良いと思うけど、もっと良いことを思い付いたんだ。
「おい、本当に大丈夫か?」
返事をしない俺を心配してナツが顔を覗き込んでくる。あぁ、これは困ってる時の顔だ。