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□穢れた心
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中也はため息をこぼした。任務明けの首領からの呼び出しだ。今日は暇を貰った筈なのだが、部下が何らかの手違いを起こしたか、或いは急な任務の依頼か。何れにしても面倒だ。蒸していたタバコを靴の踵で磨り潰し首領の部屋へと向かった。
ドアを開けると首領、森鴎外が豪勢なデスクに座り待ち構えていた、鴎外の膝の上にはエリスが美味しそうにパフェを頬張っている。
「待っていたよ。其方に座り給え」
鴎外に促され、席に座る。自分としてはさっさと終わらせたいのだが、首領の命令ならば仕方ない。
「それで首領、用件とは」
「そう慌てないで、お茶でもどうだい?」
鴎外が部下に合図を送ると、直ぐにティーカップとポットを持ってきて目の前で注いだ。部屋中に茶葉の甘い香りが広がる。中也が一口口に含むと、一瞬、鴎外の顔が綻んだ様に感じた。
「用と言うのはね? 中原、君に大切な話があるんだ」
「大切な…話…」
なんだか意識が朦朧と…
記憶にあるのは、帽子がはたりと落ちた音。
目を再び開けたとき、そこは見知らぬ場所だった。窓はなく、薄暗い電球がチカチカと室内を照らしている。
「気がついたか」
「首領?」
首領の元に行こうとすると、手錠から伸びた鎖がそれを引き止める。
「どうして! こんな…」
今、中也の見ぐるみはシャツ1枚。近くにコートやベストは見当たらない。寒気とともに鴎外はじわじわとこちらに近づいてくる。
「なんだ寒いのかい?大丈夫。直ぐに暖かくしてやるさ」
シャツのボタンを慣れた手つきで外し、中也の顔に目をやる。
怒りを剥き出しにした表情で今にも鴎外に飛びかかりそうだ。
「手前、首領だからって調子にのってんじゃ」
口から出た言葉は鴎外の口により塞がれた。
「んっ…」
口内を這う感覚に意識がとうのきそうになる、嫌でも顔が火照り、息が荒くなる。
「んっゃ、めろ!」
勢いに任せ、胴で振り払った。鴎外の口には微かに血が滲んでいる。鴎外は余裕そうな表情を浮かべ、中也にむきなおる。
「何だよ糞野郎」
先程の言葉遣いと打って変わって罵詈雑言を鴎外に浴びせている中也は体の変化に気づいた。
「っ…! からだがっ…」
「手前っ、俺の身体に何を…!」
「何、キスした時に媚薬を入れてただけだよ」
身体中が熱い上、苦しくて仕方ない。
「いいかい。これは罰だ」
胸の突起に手をやり、優しくさわる。
「んっ、あっ、厭だぁっ」
媚薬の所為で少しの事でも反応してしまう。
「素直じゃないなぁ」
鴎外は突起に手をやりながら舌を口の中に再度這わせた
「んっぁっ、ふぁ」
嫌でも反応する自身に対し、しだいに涙が浮かんできた。
「なんだ、泣いているのか?
太宰とヤるときも同じ風に泣くのかい?」
「っ!…」
思わぬ人物の名前にいっそう身体が反応した。
鴎外の手は胸から外れ、下の秘部へと伸びていく。
「いやだぁ!、っもう、っやめ」
「厭?此処はそうじゃなさそうだけど?」
「ひぅっ!」
人差し指でいやらしい音を立てて中をかき混ぜられる
「あっ、ひうっんぁ」
「かなり慣らされてるみたいだし、もう大丈夫だよね」
「やだ…中だけはっ 許し」
指を抜き、自身をあてがい、一気に挿れた。
「ひゃあっ!ゃっひぅ、あっ、やぁああっ」
中で激しく動くそれに我慢ができず、先程よりも大胆に喘ぎ声が漏れる。いつの間にか自分で腰を振り、快感を求めていた。
「ほかの男に抱かれてこんなに喘いで腰を振るなんて、太宰が見たらなんて言うだろうね」
「いゃっだざっ、やっあぁ!、ひぃぁ!んっ」
快感と背徳感で流れ出た涙がぽたぽたと流れ落ちる。
「んっあっ、ひあぁぁっ!!」
1点を突かれ、身体がのけぞった。
「ここか」
鴎外の口元が歪んだ。
瞬間、鴎外はその1点を先程よりも集中的に狙い、いっそう激しく動いた。
「やっやめっ、あっひぅ、あぁっ!」
「そろそろっ、イこうか」
「あっ、いっあぁぁあっ!!!!!!」
熱いこの感覚、溢れ出んばかりの精液を全て体内で受け止めた。
鴎外が抜いたと同時に、中に出された精液が秘部からだらだらと溢れる。
「また呼ぶよ、その時まで」
せいぜいお幸せに、といい、鴎外は去っていった。
中也は低い天井ぼうっと見つめた。
「あっ…」
また、涙が1つ、零れ落ちた。
「ひぐっ…ぁっ…うっ」
溢れる涙を抑える事無く大声で泣いた。
涙がかれると同時に、心も枯れた。
「中也、最近体調が優れないようだけど、大丈夫かい?」
「あぁ…首領が呼んでる。」
「…言ってらっしゃい」
穢れた心を愛する人に見せず。
俺は一生この業を背負っていく。
「やぁ、待っていたよ
僕の可愛い道化」
「さぁ、こっちにおいで。」
きっと、彼は離れていく、
こんな俺を決して許さないだろう、それでも俺は
「はい、首領」
手前を--している。