main(作者用)

□共依存
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「はぁ…」

退屈だ。
任務に失敗して数週間。
探偵社の女にやられた傷は治っているが、心の傷はまだ痂さえ張っていない状態だ。こんな時こそ檸檬を食べたい。爆弾を作りたい。しかし、失敗した罰として、研究所は立ち入り禁止にされた。

「はぁ…」

トボトボと廊下を歩いていると、ほんのり暖かい風が吹いた。

「! これは…」

間違いない。檸檬の匂いだ。
足早に匂いのする方へと向かう。
あの扉からだ。
扉を開け、部屋へ入ると檸檬独特の香りが広がる。しかし部屋の何処にも檸檬は見当たらない。
生暖かい風、というか湯気の方に向かい扉を開けると、湯気でメガネ(というかサングラス)が曇る。
メガネを取り、再び中を見ると茶色いお湯に檸檬を輪切りにしたものが多々浮かんでいる。
良く見たら湯船の用だ、その中には

「な、なんだよ突然」

中原中也が浸かっていた。

「あぁ、中原か、失礼」

「何のようだ」

「嫌、檸檬の匂いがしたんでね」

湯船に入った檸檬達がぶつかり、ちゃぷっと音を立てる。

「とりあえず出てけよ、話はそれからだ」

風呂から出て近くにあったソファーに腰掛ける。
よくよく見たら帽子にマントが部屋の片隅に掛けてある、テーブルには酒瓶。どっからどー見ても中原の部屋だ。
暫くして、中原がバスローブ姿でやってきた。髪についている水滴をタオルで丁寧に拭き取っている。

「さっきの風呂、何?」

「あー、紅茶風呂、だったか。太宰の奴が送ってきた」

それであの大量の檸檬か、というか太宰はなんちゅうもん送り付けてんだ。

「えと、実は」

「どーせアレだろ?」

中原が指さした先には一個の檸檬が置いてあった。待ち望んでたものを目の前にして思わずよだれが垂れる。
あの美しい形に早く触れたい。と浮き足立つ。
中原はテーブルに置いてある檸檬手に取り、掴んだり投げたりを繰り返す。

「最後の一個だ、手前にやるよ」

「本当に!?」

初めて中原がいい奴だと思えた。
次の瞬間。
グシャッと効果音がつくくらいあっけなく潰れた檸檬が目の前にあった。絶望に打ち拉がれ、床に膝をつく。

「…」

「あっ悪い悪い、手が滑った」

悪魔のように微笑む中原には目も呉れず、潰れた檸檬を見て泣きそうになっている27歳。
しかも檸檬の汁はほとんど、潰した中原本人にかかっている。

「っ汚ったねぇな」

自分でやったにも関わらず何と言う言い草だ。

「なぁ、オッサン」

中原が近づいてくる。濡れた髪が頬に触れるか触れないかくらいでとまった。

「なんでココ硬くしてンだ」

中也の目線には言うまでもない。アレだ。

「檸檬を見てなのか、それとも…」

猫のような尖った瞳でジッと見つめる。

「まっ、どっちでもいいや、それより、俺も暫くやってないから溜まってんだよ。相手、するよな?」

どうやら俺に拒否権は無いようだ。


「な、中原っ」

「するは、するでいいんだがっ」

「んだよ」

「足はやめてくれないか」

さっきからずっと足でグニグニと強くしてくる。ちょっと痛い。

「うっ、いった…」

「オッサンは足で十分だろ」

どんな偏見だよ。

「いっあっ」

「それでも感じてんじゃねーか」

「うっるさいっ」

踏みつける中原が滅茶苦茶エロいだとか全然、これっぽっちもおもっていないが

「ひぁっ、いっ」

「っ!、はっ あんなに強くしててイクとか、とんだ変態野郎だな」

中原はケタケタと甲高い声で笑う。

「中原っお前はっ何がしたいんだ…」

「見てのとおり、こうゆうことだよ」

後ろに手を回し秘部を自分で慣らす。

「んっ…こんなとこか…」

上に乗り、俺の自身を固定して秘部へとあてがう

「あっんっ」

全て入った所でゆっくりと動き出す

「んっあぁっうっ」

何故好きでもない男とこんなことができるんだろう。
未だアイツのこと、気にしてるだろうに。

「んぁっはっやぁっ」

気持ちよさそうに喘いでいる中原に訪ねる

「な、んで。俺なんかとっ」

先程の余裕な態度とはうってかわり、淋しそうな顔をし、答える

「べっつに、あぁっ、誰だってよかったっ」

「ただっ、忘れさせてっくれるならっ誰だってっんっ」

動くのを辞めずに、俺の首に腕を回す。

「んっ、きょうっだけ、だからぁっ」

涙目で訴える。

「ひぅっあっやぁあっ」

俺は捌け口ってことか、それなら…

こっちから激しくすると背中を握り締め、よがりだす。

「あっあぁっうぁあっひぅっ」

「んっなかっはらっもうっ」

一気に激しさを増し、吐き出した。

「はぁっ、はぁっ」

余韻が残るなか、中原が憂いを帯びた目を向け、小声で---と伝えると、そっと目を閉じた。



それから暫くして。
部屋へ行くと扉を開けた瞬間に中原はふわりと抱きつき、軽くキスをした。

「待ってたぜ、早く…」

誰かに依存し、求め続けないと生きられない程アイツに骨抜きにされた中原。
俺はその中原に依存し、必ず此処に来てしまう。

「手前は、離れねぇよな」

その言葉に答えるように、ベッドへ押し倒した。
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