main(作者用)
□また今度
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夕暮れ時の□町は繁華街の準備などで昼間同様騒がしく活気に満ちている、私はその繁華街から少し離れた古臭い一軒家に、またあの男へ会いに行く。
引き戸を開けると早速家主が飛びついてきた。倒れそうになる体を何とか持ち直し、家主、朔は癖のある髪をわしゃわしゃと擦り付け僕を見上げる
「白さんー!
遅い、遅すぎます!!」
不健康だと一目で見てとれるくらい細い腕で、小鳥が木をこずいてるような力で私の胸を殴る。
「なんでおれがあんなに毎日毎日心を込めて書き記した手紙に返事をくれないんですか!?」
「あぁ、悪い悪い」
隈が張り付いたような目を大きく開き顔を真っ赤にして今にも泣き出しそうな顔を向ける
「本当に悪いと思ってるんですか!? 全く、今日という今日は許しませんからね!」
胸から離れ、顔を膨らませてそっぽを向く。
「朔くん 」
「・・・もう白さんなんて知りません」
「悪かったよ、ねぇ」
腰を抱き寄せ、首元に噛み付く。朔の甘い声が聞こえ、
血独特の鉄の味が口の中に広がる。
「あぁっ、そんなっいきなり・・・!」
先程とは違う意味で真っ赤にした顔を歪める。
「そう言う事ばっかりして、何時も話を流そうとするんだからっ」
血を啜るとまた甘い声が漏れる
「今日は、ミヨシくんは居ないんだね」
「・・・はい 」
猫撫で声で答える。
「悪かったから。今日だけ、たっぷり可愛がってあげるよ」
耳元で囁くと更に頬を赤める。
「顔をあげて」
「白さん、何するの?」
朔の瞼を両手を使い無理矢理こじ開ける。
「やだっ、怖いよっやめて」
嫌がる朔を尻目に舌で眼球を舐めた。
「んぅうっ・・・白さんっそれ、やだぁ」
目が充血し、涙がとめどなく流れる。
「あっ・・・はく、さぁんっ」
「朔くんは私に酷いことされるの、好きなんだろ?」
舌を離し、朔に問う。
「うぅ・・・あぅっ」
恐怖と興奮でだらし無く垂らした涎を指でぬぐい、噛み付くようなキスをする。
「ふっ・・・んっ、あむっ」
「ぅんっふぁっ・・・」
荒い息に酔いしれながら舌を朔の口に押し込み、二人の唾液が混ざっていく、態とらしく水音をたて、次の行為に移ろうとしたとき戸が開いた。
「な、」
「何してるんですかぁあああ!」
タイミング悪くミヨシくんが帰ってきて咄嗟に口を離す。全く、相変わらず空気の読めない男だ。
「はぁっ・・・はぁ・・・」
朔にも、まだ少しばかり早すぎたようだ。
「朔くん、また来るよ」
額にキスを落とし、耳打ちをした。
「じゃあ、私はこれで、邪魔したね」
邪魔したのはミヨシくんの方だけど
放心状態となった朔の体を支えながら
「ちょっとあんた!
この状況をどうしろっていうんですかぁああああ!」
背後からミヨシくんの声が空高くに響いた。