main(作者用)
□依存症
1ページ/2ページ
「んんぅっ・・・あっ、ひぁあっ!?」
扉を開けると、芥川がまた一人でしていた。
思わず溜め息が溢れる。
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
液を布で拭い、やっとこちらに気付く。気付いたとたんに勢い良く駆け寄り俺に抱きつく。
「中原さんー!」
子供の様に思いっきり抱きしめる芥川の頭を優しく撫でる。
「中原さん? またシてください!」
胸板に頬を擦り付け強請る芥川。
この顔を向ける相手は俺だけにして欲しいものだが。
まさかコイツがこんなにも寂しがり屋で臆病者だとは思っていなかった。
「してやりてェのは山々なんだが、生憎明日はまた仕事なんでな」
「・・・やだ、やだやだシてよぉ?」
涙目で訴えられても、そそられるものはあるがダメなことはダメだ。
「ねぇ、僕可愛くするからぁ! 玩具も使っていいし服もなんだってきるからぁ! お願い・・・!僕は中原さんのじゃないとだめなの・・・!」
二人っきりのときだけ、やつがれという一人称からぼくへと変える。コイツは性行為依存症だ。早くからそういう事を教えた俺の責任だとはわかっているのだが、
「玩具で我慢しろよ
ほれ」
そう言い渡してみると暫く凝視してから地面にべしっと叩きつけた。
「中原さん! 純情可憐な僕になんてもの持たせるんですか!」
「さっきまでの自分を棚に上げてよく言えたな! それにコレは手前が欲しいって駄々こねるから買ってやったんだろうが!?」
膨れっ面になる芥川。
可愛いのは死ぬほどわかったから頼むからもう寝かしてくれ。
「むぅ・・・!
僕がこんなにもお願いしてるのに駄目なんですか?」
目を潤ませる。それは反則だろ。
「・・・駄目だ。明日の仕事終わったら沢山してやるから」
「・・・今がいい」
「無茶いうなって」
芥川は服を脱ぎ始める。
「だからしねぇもんはしねぇって・・・!」
素っ裸でまた、抱きつき耳元で呟く。
「僕の躰、中原さんのでメチャクチャにしてください」
コイツの可愛さは全て計算だ。たとえ無自覚だとしても頭のどこかでどうすれば俺が誘いに乗るか、どんな言葉が、どんな躰がいいか全てわかっていてこんな行動を取る。それは全てが完璧で、全てがしっちゃかめっちゃかだ。まあそこが芥川の可愛いところでもあるが。
……
芥川に言われて、いつもやる前戯を全て飛ばして下に指をいれる。
「はぁっ・・・んぅっ・・・!」
指の刺激だけじゃ物足りないのか、自分で腰を動かし当てようとする。
「そうがっつくなよ、馴らさねェとキツイだろ」
「だってぇ・・・ぁっ・・・!」
妙に赤みがかった色気のある頬を快感の所為か涙が伝う。
指を3本に増やすとシーツにしがみつき必死に声を呑んでいるようだ。
「んんぅっ・・・中、原さんっ・・・早く入れて下さい・・・!」
全く、我侭な姫だ。
「はぁ・・・入れるぞ」
指を抜き、ヒクついた秘部に自分のをあてがい、一気に入れた。
「ぁああっ! はぁっ…中原さんの久しぶりっ!」
中は熱く、少し余裕があった。
「はぁっ・・・はぁっ・・・ガバガバじゃねぇかっ」
「ぁあっ、ずっとっ一人で遊んでたからぁっ」
「っ今度するときまで禁止な」
彼氏の前でよくそんなこと言えたもんだ。
「んんぅっ・・・はいっ、ぁっ」
芥川は俺に命令されるのが好きらしく、低い声で耳元で囁いてやると締めつけが良くなる。
「はぁっ俺以外の男と絶対すんなよ」
「んあっ、はいぃっ」
気持ち良さそうに喘ぎながら言っているが、本当に聞いているのだろうか。
腰を動かすのをピタリと止めると芥川は悲しそうな顔でこちらを見つめる。
「な、んでやめちゃうのぉっ?」
「人の話ちゃんと聞いてねぇからだ」
「聞いてたよっ! だから、動いてぇっ」
「じゃあ俺今なんて言ったよ?」
「えと、んと・・・」
目が泳ぎ、紡いだ語句がしどろもどろになる。
「ほら聞いてない、お仕置きな」
「んぅっ、ぁんっ・・・そこだめぇ・・・!」
胸を甘噛みすると、女の様な声が漏れる。
「ここ弱ぇもんな」
「やらぁっ・・・イっちゃうからぁっ、やめてぇ・・・!」
じたばたと頭を動かす。
「ぁん・・・中原さんんっ」
「超エロい。 溢れてきてるぞ」
「はぁっ、らめだってぇ・・・やめてぇ、中原さんのでイきたいからぁっ んむぅっ・・・ぁむっ、ふぁ
」
口に舌を入れ、再び動き出す。
唾液を零した口が艶っぽい。
「んぅっ、ふぅっ・・・ひぅっ、もっとぉ・・・!」
「淫乱っ」
お望みどうりシてやるよ
「あうぅっ、中原さんっイっちゃうぅ・・・!」
「はぁっ・・・早ぇよっ」
「もぅっ、むりぃ・・・ぁぁあっ!」
芥川は一気に吐き出した。
俺は寸出のところで抜き、顔にかける。
「中に出してよかったのに・・・」
顔にかかった液体を手で掬って舐めとり、不満げな表情を浮かべた。
「次までお預けだ、玩具も没収な」
「その代わり!、
今度は、最後までしてくださいね・・・?」
「何度でもシてやるよ」
窓越しに星が煌めくのが見えた。