Black, Kind, Memories
□第1章
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誠凛高校に行く途中、幼馴染に連絡しておこうと思い、携帯を出した。
「あれ、瑠衣?」
「どうかしたのか?」
突然かけられた声は、幼いころから聞いてきた幼馴染の声だった。
振り向くと、やはり幼馴染の2人がいた。
『拓人と蘭丸、おはよう』
拓人と蘭丸は、首を傾げてあたしに問うた。
拓人「何でここに?」
蘭丸「部活行こうぜ!」
『えっとね…』
この2人、神童拓人と霧野蘭丸はあたしの幼馴染。
長い付き合いなので下の名前で呼び合っている。
2人とも女子に異常にモテるから、あたしは身が縮む思いをしているんだけど…。
蘭丸「あぁ、お姉さんの…」
拓人「じゃあ練習遅れるんだな?監督に伝えてとく」
『ありがとう』
そう言ってにっこり笑うと、拓人と蘭丸は顔を赤くしてあたしから目を反らした。
『…2人とも、顔赤いけど大丈夫?熱とかじゃ…』
拓人「な、なんでもない!」
蘭丸「お、俺たちもう部活行くから!気を付けていけよ!」
『うん、じゃあね!』
2人にそう言って、学校に向かって歩き出した。
2人とも大丈夫だろうか、あとで体調聞いてみよう。
さて、早くいかなきゃ。
そんなこんなで、あたしは誠凛高校への道を急ぎ始めた。
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